2006年03月26日更新
三菱マテリアル九州工場は、日本最大の生産規模を誇るセメント工場。三菱のセメント事業発祥の地。普通ポルトランドセメント、高炉・フライアッシュセメント、セメント系固化材ほかを生産する。苅田港の本港地区北岸に立地し、セメント原料は平尾台の東谷鉱山から延長約12kmのベルトコンベアで直輸送する。東谷鉱山は平尾台西壁にある北九州最大の石灰石鉱山。
工場は1918年に豊国セメント九州工場として操業を開始した。塩業の村だった苅田は、これを契機に工業化への道を歩み始めた。工業都市・苅田の祖であり、騒音や振動、粉塵などの悩ましい公害問題を抱えつつも町民に愛されている。1920年、工場は三菱鉱業苅田工場になり、以来今日まで一貫して三菱のセメント事業の主力生産拠点と位置づけられる。
北九州工業地帯には国内有数のカルスト台地である平尾台が存在し、豊富な石灰石資源を有す。石灰石鉱山は炭鉱と並んで鉱工業の大黒柱だった。石灰石は石炭と異なり、無尽蔵に露天掘りで採掘できることから資源が枯渇する恐れはないが、製品であるセメントは1987年に構造不況業種として産業構造転換円滑化臨時措置法の適用指定を受けた。
1991年にバブル景気による建設需要の増大などを受けて同法の指定が解除され、休止したキルンが再稼働するなど息を吹き返した時期があった。2000年以降は公共事業の削減を受けて操業効率のよくない内陸部の山元工場が相次いで清算された。選択と集中により利益を得たのが苅田臨海部だった。
苅田臨海部には三菱マテリアル九州工場を筆頭に、宇部興産苅田セメント工場、麻生ラファージュセメント苅田工場などセメント各社の主力工場が勢ぞろいする。苅田は国内有数の巨大鉱山とベルトコンベアで直結して山元工場並みの資源調達コストを実現できる上、臨海部の物流効率も兼ね備えている。
三菱マテリアルは北九州地区でのセメント生産を苅田へ集約する動きを強めている。1999年、平尾台麓の山元工場だった九州工場東谷製造課を休止し、苅田地区での生産に代替した。2000年、洞海湾岸の黒崎工場を統合した。
九州工場の心臓部は高さ約90mのキルン(焼成炉)5基。照明に浮かび上がる夜のキルンは、対岸まで伝わる凄まじい振動と轟音と相まって熱気を帯びている。工業都市住民の琴線に触れる格好のよさだ。
©2008 GaZONE Kanmon-Kitakyûsyû. Morrie & Co. All rights reserved.
Mitsubishi Materials Kyûsyû Plant