ガゾーン関門北九州圏

2006年03月29日更新

トヨタ自動車九州

業種分類
輸送用機械 - 自動車組立
操業等
1992年操業開始。生産能力年産43万台。従業員数約4200人(請負含む 6400名)。敷地面積113万㎡
場所
宮若市上有木1

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あらまし

トヨタ自動車九州は、トヨタ自動車(本社、愛知県豊田市)が100%出資する自動車製造子会社。1991年設立。資本金450億円。車両組立の宮田工場とエンジン製造の苅田工場を有し、本社を宮田工場の敷地内に置く。

宮田工場はトヨタが愛知県外に設けた初めての国内工場だった。トヨタの最新鋭工場であり、高級車レクサスの車種を中心に年産約43万台を製造する。トヨタ全体の乗用車生産に占める割合は約1割。生産した自動車は約9割が北米中心に輸出される。

この項目ではもっぱら宮田工場について述べる。

筑豊進出

宮田工場のある旧宮田町(宮若市)は1884年に石炭採掘が開始されて以来、約100年にわたり産炭地として発展してきた。最盛期の1955年の人口は5万1795人を数え、町としては全国2番目の規模を誇った。しかしその後のエネルギー革命の影響を受けて炭鉱はすべて閉山、石炭の時代は終わった。

北九州工業地帯における自動車産業の開拓者は日産自動車だが、実はトヨタもほぼ同じ時期に北九州工業地帯への進出を企てた。トヨタ進出の意向を受けて地域整備事業団が宮田工業団地を着工したのは1973年だった。しかし第一次石油ショックで乗用車販売台数が激減し、この話はいったん流れた。

当時の筑豊は炭鉱離職者が多く存在した。トヨタは愛知県内に集中立地することで生産効率を高めてきたが、自動車工場は流れ作業の重労働であり、仕事なら他にいくらでもある愛知県内では労働力の確保が難しかった。筑豊は炭鉱離職者に加えて、旧産炭地振興の優遇措置も魅力的だった。

トヨタが1990年代の筑豊進出で期待したのも、やはり労働力だった。炭鉱離職者は高齢化してもはや労働力にならないが、九州は求人倍率が低いにもかかわらず地元志向が強い。愛知県まで出稼ぎに来てくれなくても、同じ九州島内なら人が集まる見込みがあった。

旧宮田町は内陸立地を生かしたIC産業などの企業誘致にも成功し、筑豊の優等生だ。筑豊の外れに位置するが、九州自動車道若宮インターがあり、これを中心に工業団地を造成して、交通利便性の高さを訴える戦略が功を奏した。現在、筑豊で新しい産業集積が存在するのは旧宮田町だけだ。

旧宮田町は北九州市と高速道路で直結して、陸の孤島ではないのが田川や飯塚との違いだった。北九州市は北九州工業地帯の中心都市であり、素材メーカーや設備メーカーが一堂に集まる。トヨタは現地での部品調達率が高いとはいえないが、日産自動車が育てた素地はあり、ゼロからの出発ではなかった。

宮田工場

トヨタ自動車九州 宮田工場は1992年に操業を開始した。当時の生産能力は年産23万台。12年後の2004年に累計生産台数が200万台に達した。フル操業になったのは今世紀に入ってからで、工場を立ち上げた1990年代は苦労が多かったようだ。

現在、トヨタは世界的な販売急伸を受け、国内外の工場はどこもフル操業を続ける。人材確保の問題はなお深刻化し、人件費の高騰も頭の痛い問題だ。で、愛知県よりは余裕のある宮田工場に白羽の矢が立った。2006年にレクサス用の新ラインが増設され、年産能力は年産43万台へ引き上げられた。

愛知県では部品の増産も困難になっている。宮田工場の増産に合わせ、同年に苅田工場を新設してエンジンの現地生産を始めた。生産台数が拡大したことから下請けの進出も相次ぎ、トヨタ紡績、トヨタ鉄工ほか多数が宮若市や北九州市周辺に進出した。2006年をトヨタ自動車九州は「第二の創業」と呼ぶ。

2006年現在の生産車種は、ハリアー(輸出名 レクサス RX350)、ハリアーハイブリッド(輸出名 レクサス RX400h)、クルーガー(輸出名 ハイランダー)、クルーガーハイブリッド(輸出名トヨタ ハイランダーハイブリッド)、レクサス IS350/IS250。

物流の見直し

第二の創業に先立って物流の見直しも図られ、博多港の物流拠点を閉鎖して北九州港(新門司港)へ全面移転した。2004年に新設した新門司自動車物流センターでは年間約50万台を取り扱う。2005年には博多港に残した自動車部品の陸揚げ機能なども新門司へ移転した。

博多港は内国移出には向かない港だ。関門海峡を通過するのに時間がかかるし、大型船舶も通せない。時間に厳しいトヨタが非効率を押して博多港を拠点としたこと自体が「ありえない選択」だった。しかし進出を世話した福岡県や福岡財界の推奨だったのだから、当時はやむをえなかった。

物流拠点の変更は福岡市の強い反発を招いたため、年間2万台の中国向け輸出拠点を設けることで問題の解決を図った。

参照記事(他サイト)
トヨタ自動車九州公式ホムペ
北九州地区の自動車製品と部品の物流 (PDF) - 北九州市立大学
関門通信でトヨタを検索
関連項目(ガゾーン内)
トヨタ自動車九州 苅田工場 - 2005年12月操業開始のエンジン工場
日産自動車九州工場 - 日産最大の車両組立能力を誇る主力工場
ダイハツ車体 大分中津工場 - 前橋市から全面移転した生産子会社

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