2008年10月27日更新
現況
全体事業(第2期含む) 画像引用 北九州市
ひびきコンテナターミナルは、北九州市の響灘環黄海圏ハブポート構想による新しいコンテナ港。北九州市の三大事業の一つ。水深が浅く、外航大型コンテナ船が入港できない太刀浦コンテナターミナルに代わって北九州港の主力コンテナ港になる。
北九州港は貨物取扱量や輸出入額で西日本(神戸以西)最大の港湾だが、コンテナに関しては冴えない。北九州港のコンテナは成立が古い。田野浦にコンテナターミナルが開港したのは1971年。現在主力の太刀浦コンテナターミナルが供用を開始したのは1979年で、岸壁の水深は10~12mしかなく、船舶の大型化に対応できていない。
東アジアのコンテナ航路が釜山港の台頭などにより、太平洋ルートから日本海ルートへ主力を移したことも太刀浦には具合が悪かった。日本海ルートのコンテナ船が太刀浦へ入港するには関門海峡を通り抜けなければならないが、狭い海峡には大小の船舶がひしめき、航行が難しい上に時間損失が大きい。
ひびきコンテナターミナルは日本海ルートに面したコンテナ港としては日本最大の規模を誇る。
港湾整備では日本で初めてとなる民間活力導入方式(PFI)を採用した。事業実施協定は開港から25年間有効。
岸壁、航路・泊地、防波堤、ヤード用地、ヤード舗装、ヤード照明は、国と北九州市が整備した。ガントリークレーン、ヤード内荷役機械、管理棟などは、PSA(本社、シンガポール)と上組(本社、神戸市)を中心とした国内15社が設立した「ひびきコンテナターミナル」(以下、運営会社)が設置した。
ひびきコンテナターミナルは下物整備こそ順調だったが、上物整備に関してはごたごた続きだった。運営会社は予定より2年遅れの2004年1月に設立。企業体の中心となるPSAが業績不振と内部抗争により変調をきたしたのが原因だった。
PSAは2002年12月に出資比率を予定の60%から34%に一方的に引き下げ、穴埋めの追加出資をめぐって国内企業の調整が難航した。当時は平成不況の二番底あたりで景況感が悪く、事業意欲の減退は目を覆うほどひどかった。最終的には2社が出資者から外れ、資本金を予定の39億円から10億円へ大幅削減した。
運営会社の設立が大幅に遅れた上にこの体たらくだから、スーパー中枢港湾の本命とされながら2004年4月の指定を逃した。スーパー港は「アジア主要港を凌ぐコスト・サービス水準の実現を目指す」のが目的であり、本来なら既存の大港湾は対象にならないはずだ。しかし、関西を筆頭に政財界の陳情が加熱する中で、コストやサービス以前に事業意欲さえ疑わしいひびきコンテナターミナルを推すのは不可能だった。
ひびきコンテナターミナルは2005年4月1日に水深15m岸壁2バース(700m)と水深10m岸壁2バース(340m)で開港した。コンテナの積み下ろしに使うガントリークレーンは3基で、現状の取扱能力は年間30万TEU。初年度は目標が年間10万TEUで、実際の取扱量は5823TEUだった。
新北九州空港もそうだが、北九州の空海のターミナルは片端ではないか。なるほど空海に対して門戸を開いている。陸に対しては離れ小島のようだ。ひびきコンテナターミナルには荷揚げ場とガントリークレーンしかない。海から荷物を受け取って、それからどうするか。すぐさまトラックに載せて港から出てゆけというのか。
船には停泊して荷物を下ろすために岸壁が必要だ。荷物を受け取るトラックには、積載する前にコンテナをばらして保管や仕分けをするための倉庫が必要だ。コンテナ船とトラックでは積載容量が違いすぎる。岸壁と倉庫が揃って、初めて海から陸あるいは陸から海へモノが流せる。この港には海と陸の物流を橋渡しする機能がない。
「荷捌きの施設がない港は使えない」。05年の開港当初、集荷の営業に出向いた市職員は荷主たちに指摘された。「航路開設を受けて造ろう」「民間企業が造るのが最善」。ためらっているうちに1年が過ぎた。(朝日新聞)
北九州市のインフラは万事がこの調子で、数千億円を投資しておきながら最後のわずか数億円を出し惜しんで、結局は全部を台無しにする。はたして北九州の港湾や空港は「必要に迫られて」建設したものだろうか。否、北九州市が都市戦略の要だとして、独断専行で建設したものだ。
ひびきコンテナターミナルは身内の太刀浦コンテナターミナルと競争し、この分野で出し抜かれた博多港を叩きのめさなければならない。釜山港が目標か。両脇に居並ぶ強敵を相手にコンテナ争奪戦を挑み、力ずくで捻じ伏せなければその先はない。自分がモテモテと勘違いしていないか。港湾競争は殿様商法で勝てるほどあまくない。
北九州市はいまさらになってやおら倉庫の建設に乗り出したが、いま着手できるのなら、なぜ開港前に着手しなかったのか。物事ははじめが肝心だ。「赤字にあえぐ」だの「苦戦続く」だの「目標のわずか6%」だのと愚弄され、税金の無駄遣いだと謗られ世論を敵に回してからでは、もう時機を逸している。
ひびきコンテナターミナルの全体計画は、水深15~16m岸壁6バース、水深12m岸壁4バース、水深10m岸壁2バースで、年間150万TEUが扱える。完成時期は2020年。しかし第1期事業の立ち上げに大失敗したことから、計画は座礁した。
2006年11月19日作成
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Hibiki Container Terminal, Port of Kitakyûsyû (Kitakyushu)