ガゾーン関門北九州圏

2006年11月19日更新

ひびきコンテナターミナル

分類
関門港 - 北九州港 - 響灘地区 - 響灘西埠頭 民営埠頭
現況 (2005)
2005年04月01日開港。岸壁=水深15m×2(700m)、10m×2(340m)、取扱能力30万TEU、蔵置能力約2万9300TEU、港湾関連用地65ha、下物造成費約1000億円
場所
北九州市若松区響町3丁目

第1期事業

引用

全体事業(第2期含む) 画像引用 北九州市

あらまし

ひびきコンテナターミナル(HCT)は、響灘環黄海圏ハブポート構想による新しいコンテナ港。北九州市の三大事業の一つ。水深が浅く、外航大型コンテナ船が入港できない太刀浦コンテナターミナルに代わって北九州港の主力コンテナ港になる。

北九州港は貨物取扱量や輸出入額で西日本(神戸以西)最大の港湾だが、コンテナに関しては冴えない。北九州港のコンテナは成立が古い。田野浦にコンテナターミナルが開港したのは1971年で、現在の主力となる太刀浦コンテナターミナルが供用を開始したのは1979年。岸壁の水深は10~12mしかなく、船舶の大型化に対応できていない。

東アジアのコンテナ航路が釜山港の台頭などにより、太平洋ルートから日本海ルートへ主力を移したことも太刀浦には具合が悪かった。日本海ルートのコンテナ船が太刀浦へ入港するには関門海峡を通り抜けなければならないが、狭い海峡には大小の船舶がひしめき、航行が難しい上に時間損失が大きい。

ひびきコンテナターミナルは日本海ルートに面したコンテナ港としてはわが国で最大の規模を誇る。

逃げ腰事業

引用

ひびきコンテナターミナルの整備では日本で初めてとなる民間活力導入方式(PFI)を採用した。岸壁、航路・泊地、防波堤、ヤード用地、ヤード舗装、ヤード照明は、国と北九州市が整備した。ガントリークレーン、ヤード内荷役機械、管理棟などは、PSA(本社、シンガポール)と上組(本社、神戸市)を中心とした国内15社が設立した「ひびきコンテナターミナル」(以下、運営会社)が設置した。事業実施協定は開港から25年間有効。

ひびきコンテナターミナルは下物整備こそ順調だったが、上物整備に関してはごたごた続きだった。運営会社は予定より2年遅れの2004年1月に設立。企業体の中心となるPSAが業績不振と内部抗争により変調をきたしたのが原因だった。

PSAは2002年12月に出資比率を予定の60%から34%に一方的に引き下げ、穴埋めの追加出資をめぐって国内企業の調整が難航した。当時は景況も悪く、事業意欲の減退は目を覆うほどひどかった。最終的には2社が出資者から外れ、資本金を予定の39億円から10億円へ大幅削減した。

運営会社の設立が大幅に遅れた上にこの体たらくだから、スーパー中枢港湾の本命とされながらも2004年4月の指定を逃した。スーパー港は「アジア主要港を凌ぐコスト・サービス水準の実現を目指す」のが目的であり、本来なら既存の大港湾は対象にならないはずだ。しかし、関西を筆頭に政財界の陳情が加熱する中で、コストやサービス以前に事業意欲があるのかどうかさえ疑わしいひびきコンテナターミナルを推すのは不可能だった。

ひびきコンテナターミナルは2005年4月1日に水深15m岸壁2バース(700m)と水深10m岸壁2バース(340m)で開港した。コンテナの積み下ろしに使うガントリークレーンは3基で、現状の取扱能力は年間30万TEU。初年度は目標が年間10万TEUで、実際の取扱量は5823TEUだった。

使い物にならないインフラ

新北九州空港もそうだが、北九州の空海のターミナルは片端ではないか。なるほど空海には門戸を開いている。陸に対しては離れ小島のようだ。ひびきコンテナターミナルにはきれいに舗装した荷揚げ場があり、岸壁には立派なガントリークレーンが据えてある。で、海から荷物を受け取って、それからどうするか。すぐさまトラックに載せて港から出てゆけというのか。

船には停泊して荷物を下ろすために岸壁が必要だ。荷物を受け取るトラックには、積載する前にコンテナをばらして保管や仕分けをするための倉庫が必要だ。コンテナ船とトラックでは積載容量が違いすぎる。岸壁と倉庫が揃って初めて、海から陸あるいは陸から海へモノが流せる。この港には海と陸の物流を橋渡しする機能がない。

「荷捌きの施設がない港は使えない」。05年の開港当初、集荷の営業に出向いた市職員は荷主たちに指摘された。

「航路開設を受けて造ろう」「民間企業が造るのが最善」。ためらっているうちに1年が過ぎた。(朝日新聞)

北九州市のインフラは万事がこの調子で、数千億円を投資しておきながら最後のわずか数億円を出し惜しんで、結局は全部を台無しにする。はたして北九州の港湾や空港は「必要に迫られて」建設したものだろうか。否、北九州市が都市戦略の要だとして、独断専行で建設したものだ。

ひびきコンテナターミナルは身内の太刀浦コンテナターミナルと競争し、この分野で出し抜かれた博多港を叩き潰さなければならない。釜山港を目標とするのは結構だが、両脇に居並ぶ強敵を相手にコンテナ争奪戦を挑み、力ずくで捻じ伏せなければその先はない。自分がモテモテと勘違いするのはやめよ。港湾競争は無様な殿様商法で勝てるほどあまくない。

北九州市はいまさらになってやおら倉庫の建設に乗り出したが、いま着手できるのなら、なぜ開港前に着手しなかったのか。物事ははじめが肝心だ。「赤字にあえぐ」だの「苦戦続く」だの「目標のわずか6%」だのと愚弄され、税金の無駄遣いだと謗られ世論を敵に回してからでは、もう時機を逸している。

第2期事業

ひびきコンテナターミナルの全体計画は水深15~16m岸壁6バース、水深12m岸壁4バース、水深10m岸壁2バースで、年間150万TEUが扱える。完成時期は2020年。しかし第1期事業の立ち上げに大失敗したことから、計画は白紙に戻った。

参照記事(他サイト)
ひびきコンテナターミナル
ひびきなだ - 響灘地区開発推進協議会
事業の概要 - 国土交通省
関門通信でひびきCTを検索
関連項目(ガゾーン内)
幹線12号 - ひびきコンテナターミナルの接続道路。国道部と市道部からなる

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