2006年11月04日更新
紫川船溜 奥は国道199号
衛星写真
紫川船だまりは、紫川泊地のもっとも奥にある小型船係留施設(個人や法人所有の行楽用船舶を係留する場所)。泊地は二級河川・紫川の河口にある。泊地南側の浅野二丁目の岸壁に沿って国道199号浅野バイパスが通り、西側から北側にかけては住友金属小倉の岬状埋立地が塞ぐ。
東側の浅野三丁目は都心部にもかかわらず空き地が目立つ。数年前までこの場所は準工業地域で臨港地区の指定を受けていた。近ごろ商業地域に編入され、臨港地区の指定が解除された。2006年10月に富士通コミュニケーションサービスのサポートセンターが立地したほか、和気耐火工業跡地では小倉記念病院が移転新築の準備を進める。
北九州市港湾局は市民に親しまれる水際線づくりマスタープランと称して水際線の整備に精を出している。門司港第一船だまりや、若松南海岸はすっかり垢抜けた。しかし新門司の地蔵面地区人工海浜や、八幡泊地の八幡東田緑地などにいたっては、感銘を受けると同時に疑問が生じる。すなわち、優先順位を間違えていないか。
予算は有限なのだからより目立つ水際を先に整備したほうがよい。浅野地区を挟んだ西の紫川泊地と東の砂津泊地は、都心部の開放空間として貴重なだけでなく、来街者の目にも触れやすい。まずはこの場所に予算を配分すべきだ。都心部に広い緑地を造成する土地はないが、泊地の水面は箱庭として使える。
小倉北口の景観は来街者の評判が悪い。小倉駅から丸見えの赤錆びた製鉄所は「汚い」「潤いがない」と評され、市民の一部がこれに同調して「恥ずかしい」という。わたしはこのような意見を耳にするたびに工業都市の住民として強い憤りを感ずる。この水辺は工業都市が自らのアイデンティティを表現するための場にしなければならない。
砂津泊地には比較的大きな遊覧船などが入港するが、紫川泊地の奥には小型船係留施設しかなく、水際だけでなく水面も利用できそうだ。たとえば、耶馬溪ダムには水を循環させるための噴水がある。水柱は高さ35mになり、夜はライトアップされる。紫川泊地にもこういう仕掛けがあれば楽しい。
東田の死んだ高炉よりも活動中の煙る高炉のほうが美しい。製鉄所は隠すべきでなく、より黒く、より強靭に、より大胆に着飾らせるべきだ。紫川泊地で水と蒸気と火炎と光の競演が眺められれば、どんなに素晴らしかろう。
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Murasakigawa Moorings, Port of Kitakyûsyû (Kitakyushu)