2008年10月17日更新
平城京の大極殿を模した阪九フェリー第1ターミナル
阪九フェリー第1ターミナルに停泊中の「ニューあかし」
東九フェリーターミナルに停泊中の「おーしゃんのーす」
名門大洋フェリーターミナルに停泊中の「フェリーきょうと2」
新門司埠頭(新門司港)は、新門司泊地に面した公共埠頭。企救半島の周防灘側の地先に展開する埋立地、新門司南地区(253ha)と新門司北地区(243ha)の中央をYの字に穿った掘込み港で、ここに流れ込む櫛毛川と井手谷川の河口に位置する二つの漁港を沖合いに拡張した形を取る。
新門司北埠頭は西日本最大のフェリーターミナルとして知られるが、2004年にトヨタ輸送が新門司自動車物流センターを開設し、完成自動車の取扱いでも存在感が増した。現在、北九州港の内国貿易の60%以上を完成自動車が占める。2005年には農水省が新門司検疫場を開設し、新門司は国内最大の肉用子牛の輸入基地でもある。
新しいほうの新門司北地区は物流団地で倉庫が多いが、古いほうの新門司南地区は中小の町工場が集まる臨海工業団地だ。港湾が主力ではなく、岸壁は新門司北埠頭の14バースに対して、新門司南埠頭は5バースしかない。こちらへは油槽所目当ての内航タンカーのほか、ばら積み船などがまばらに入港する。
新門司北埠頭の突堤にフェリー岸壁が4バースある。関門港で突堤形式はここと下関港本港地区の2箇所のみ。泊地側の付け根から先へ向かって、阪九フェリーの第1ターミナル、同第2ターミナル、オーシャン東九フェリーの北九州ターミナルが並ぶ。名門大洋フェリーの新門司港フェリーターミナルは、やや離れた新門司南埠頭にある。すべてのフェリーが夕方から夜(2便がある場合)にかけて出航し、明け方に帰港する。
阪九フェリーは神戸航路が毎日1便、泉大津航路が毎日2便。投入船舶は前者が「やまと」(総トン数1万3353トン)、「つくし」(同上)、後者が「ニューながと」(総トン数1万4988トン)、「ニューあかし」(同上)、「フェリーせっつ」(総トン数1万5188トン)、「フェリーすおう」(同上)。第1ターミナルの建物は奈良時代の平城京の大極殿を模した。入母屋造で、白壁に朱の柱を際立たせる。港湾施設で宮殿風は他に類例を見ない。
オーシャン東九フェリーは徳島経由の東京航路が毎日1便。投入船舶はスタンダードフェリーの「おーしゃんいーすと」(総トン数1万1523トン)、「おーしゃんうえすと」(総トン数1万1522トン)、カジュアルフェリーの「おーしゃんさうす」(総トン数 1万1114トン)、「おーしゃんのーす」(同上)。投入船舶が多いのは往復するのに2泊3日かかるからだ。スタンダードとカジュアルの違いは、後者は廉価版で食堂や一等室などがない。
名門大洋フェリーは大阪南航路が毎日2便。投入船舶は「フェリーおおさか」(総トン数約9500トン)、「フェリーきたきゅうしゅう」(同上)、「フェリーきょうと2」(総トン数約9800トン)、「フェリーふくおか2」(同上)。名門大洋フェリーは突堤のフェリーターミナルが建設される以前から新門司発着のフェリーを運航していたため、突堤ではなく新門司南埠頭の岸壁を利用する。
突堤に陣取る阪九フェリーとオーシャン東九フェリーはかつては小倉地区の埠頭を利用した。小倉地区は都心に近くて便利な港だが、そこへ至るには日本でも有数の海上交通量を誇る関門海峡を通航する必要がある。瀬戸内海(周防灘)に面した新門司埠頭へ移転することにより、航行時間を大幅に短縮できたほか、総トン数1万トンを超える大型フェリーを投入することが可能になった。
近年はリミッター規制にガソリン高が加わり、殺気立った大型トレーラーがひしめいて観光気分は感ぜられない。しかし「動くホテル」と評された新造船の「フェリーきょうと2」などは、船旅がめずらしい台湾人観光客などに人気があった。瀬戸内海のロマンチックな船旅を満喫して、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに出かけたわけだ。
新門司フェリーターミナルとは泊地を挟んで対岸にある。トヨタ輸送(本社、愛知県豊田市)が開設した国内最大級の自動車物流センターで、トヨタの生産拠点である愛知県と、北九州工業地帯で展開するトヨタ自動車九州(本社、宮若市)を結び、完成自動車や工場向け自動車部品をやり取りする。
トヨタの物流機能は2004年11月に博多港から移ってきた。博多港は内国貿易には向かない港だ。関門海峡の通航は時間を要する。進出を世話した福岡県や福岡財界に義理立てする必要があったはいえ、時間に厳しいトヨタが非効率を押して博多港を拠点としたこと自体が「ありえない選択」だった。しかし拠点変更には12年を要した。
造成地「マリナクロス新門司」の用地は北九州市から賃借した。翌年3月に隣接地も賃借して、計18万1352㎡を占める。建設費19億円。取扱いの内訳は、自動車が62万台、トレーラーが8万台の年70万台。センター前の三つの岸壁にトヨフジの自動車専用船が横付けする。陸路は最寄の九州道新門司インターを利用する。
動物検疫所門司支所博多出張所(福岡市)の老朽化に伴い、2005年1月に旧施設を閉鎖して新門司へ移ってきた。国内10検疫場の中では最大の規模を有す。場所は新門司自動車物流センターの南隣、新門司埋立地のどん詰まり。
新しい検疫場は広さ3万㎡。事業費37.5億円。場内には事務所のほか、畜舎、堆肥舎、解剖焼却炉などが備わり、専用桟橋がある。豪州産肥育用牛を一度に1500頭収容し、15日間留置して臨床検査や血液検査を実施、合格した牛は国内に入れ、不合格の牛は返送するか屠殺して調べる。年間の取扱数は1万8000頭。
新門司の沖合いにある新北九州空港を利用して、年間5000頭の輸入馬の検疫も行う。新北九州空港は2006年3月に動物検疫空港に指定されている。
2008年10月17日作成
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Sin Mozi Wharf, Port of Kitakyûsyû (Kitakyushu)