2007年05月27日更新
新門司マリーナは、北九州市の三セク、北九州埠頭が経営する海洋レジャー施設。新門司北埋立地の北東端に位置する。行楽用船舶(プレジャーボート)を係留する係船池を核として、岸壁には日産マリーンの常設展示場があり、地上施設としてクラブハウスと海と太陽の教会がある。
行楽用船舶はそのへんの小型船係留施設でも見かけるが、新門司マリーナには高級リゾートの雰囲気がある。北九州市は新門司北地区を北九州市の海洋レジャーの拠点にしたい意向で、新門司マリーナのほか、地蔵面海岸にはボードセイリングやビーチバレーなどが楽しめる人工海浜を造成した。
新門司マリーナは海洋レクリエーション需要が高まる中、増大する行楽用船舶の係留施設整備の要請と親水空間の景観整備、海洋スポーツの振興を名目として1991年8月に開業した。事業費は27億円。施設の管理運営を受け持つ第三セクター「新門司マリーナ」(以下、運営会社)は資本金4億5000万円で、北九州市と日産自動車がそれぞれ34%を出資した。
建設の真の背景には、1987年に制定された総合保養地域整備法(リゾート法)と、当時のバブル景気がある。地方ではリゾート開発が大流行した時期で、第1号指定となった宮崎のシーガイヤは3261億円の負債を残して破たんした。新門司マリーナはリゾート法の指定を受けた事業ではないが、志を同じくしたバブル景気の負の遺産だ。
運営会社は開業以来、収益が費用を下回る営業損失の状態が続き、2003年3月期で2億2000万円あまりの繰越負債があった。1998年度以降は減価償却前収支で黒字に転換したというが、最終黒字の見通しは立たなかった。折りよく外郭団体経営監理委員会が経営の抜本的立て直しを指摘したことから、資本金の半分を食い潰した当期末をもって営業の全部を北九州埠頭に譲渡のうえ会社を任意解散した。
北九州埠頭は田野浦の外貿埠頭の運営のため1956年に設立された三セクだ。現在は太刀浦埠頭のコンテナクレーン維持管理業務の受託をはじめ、北九州市港湾施設関係の維持管理業務にあたる。資本金は1000万円で、北九州市が51%を出資する。全事業の92.4%(2002年度)が市の受託事業だから経営は安定しており、北九州埠頭には新門司マリーナの穴を埋めるだけの経営体力があった。
新門司マリーナで思うのは立地のまずさだ。なぜ人里離れた新門司北地区に大枚を突っ込んでマリーナや人工海岸を造成するのか理解に苦しむ。北九州市は目立たない場所をきれいにしすぎる。八幡東田緑地もそうだが、これらの場所は市民の大部分がその存在すら知らない。
公共事業は割が合わないのだから、せめて波及効果くらいは狙いたい。たとえば、これが紫川船だまりにあればどうだったろう。都心の水辺の顔として貢献するだけでなく、工業都市の水際の魅力をどう創出するかを考える機会にもなった。新門司マリーナは本業が転んでなにも残らない。なんの問題提起にもならない。単なる不良資産になっている。
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Sin Mozi (Moji) Marina