2008年10月28日更新
下関マリンホテル
しものせき天然温泉マリン温泉パーク
下関マリンホテルは、山口の湯田温泉に本拠を置くタナカホテルグループが運営する政府登録の国際観光旅館。関門海峡を望む長府外浦海岸に立地し、客室や露天風呂からの眺めがよい。食事は海の幸を生かした会席料理で、一年を通してふぐ料理が楽しめる。
ホテルの北側にはかつて下関市立水族館があった。当時東洋一の規模を誇った水族館は1956年に開館し、1957年に高松宮同妃両殿下、1958年に昭和天皇・皇后両陛下が来館した。この稀有の大型観光施設にあやかろうと長府へ進出したがタナカホテルグループだった。
長府の水族館は1999年の台風18号で被災して2000年に閉館した。跡地には東駅の関門医療センターが2009年4月に移ってくる。現在の長府外浦海岸は更地の一角に下関マリンホテルとイオン長府(2005)がぽつんとある格好で、観光ホテルの立地としては間抜けな印象だ。
ホテルというと洋物の印象があるが、観光ホテルは日本古来の温泉旅館などが舶来文化を取り入れて進化した形態だ。和洋折衷の一般住宅と同じ生活様式でくつろげることから、友人宅に集まる感覚で楽しみたい団体客に人気がある。
客室は和室126、和洋室17の計143室。59室が関門橋、15室が太刀浦コンテナターミナル、残り69室が満珠干珠を望む。すべて和室が中心で、定員4~9名の大部屋。宿泊料金は大人一泊でビジネスホテルの約2倍と、大人数で泊まっても安くない。
館内施設は10~60名収容の大・中・小の宴会場のほか、14階に予約制レストラン「レインボー」、1階にカフェ・レストラン「ボナンザ」がある。レストランは物価高の下関にしては高くない。スナックやカラオケボックスがあるのがいかにも温泉旅館だ。
要の風呂は、内風呂付の客室もあるが、併設のマリン温泉パークを無料で利用する。合計20種類の風呂があるのはよいとして、近年は都市型温泉が流行して物珍しさがない。数万円を支払って温泉旅館に宿泊して、風呂が汎用施設ではがっかりする。
本館は郊外型の市街地が発達した長府では目を剥く大きさだ。建築としては1970年代の合理主義の影響が色濃い。同時期の下関グランドホテル(1970)も合理主義の産物だが、あちらは都市型ホテルであり、ガラス張りの華やかな外観を持つ。
建物は長方体で、コの字に客室をめぐらせ、北側に階段室とエレベーター塔を挟み込む。正反対の海側はベランダを挟み込む。最上階はやや張り出し、ガラスで処理する。玄関横に団体客歓迎の看板が並ぶありさまと合わせて、この時代の観光ホテルの完成形と言えそうだ。
日本でコの字形(変形ロの字形)は1970~80年代に建設された合理主義の公団住宅に多い。欧米ではもっとも好まれる型だが、日本では南向きの日照に対する厚い信仰から、北側が開放廊下の板チョコ形を愛好して、この型は定着しなかった。近年では超高層ビルに限って、コの字形が好まれる。
2007年10月20日作成
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Marin Hotel Simonoseki (Shimonoseki)