2005年06月12日更新
九州民芸村は、第一交通産業の地域貢献事業の一環として設立された。河内貯水池上流の山間の渓流沿いに約5000坪を確保し、民芸工房、展示館、即売場などからなる「村」を設ける。ようび館にはかつて小倉・馬借にあった「つくしぎゃらりぃ」が入る。村で製作した民芸家具や工芸品などはここで買える。施設は九州テーマパーク等振興協議会の会員。
建物としてのようび館は一見すると洋風の煉瓦造りに見えるが、近代のそれとは明らかに肌合いが異なる。この時代はもう西洋の建築に対する忠実さとか誠実さとかいったものは一切なく、「洋風」は建物がまとう衣服の一種にすぎない。パソコンのソフトでいうところの「スキン」である。
銅板葺きの腰折屋根に見える部分は意匠で、もちろん屋根ではない。内部も屋根裏部屋ではない。本体は3階建ての長方体である。玄関や窓の部分は幅広の櫛形に処理し、縦長の窓を二つはめる。玄関部分は櫛形の開口部を石で縁取り、その奥の両開き扉の両側に円形アーチの凝った飾り窓をあしらう。
ちなみに幅広の櫛形アーチというのは壁組みの建物では構造的にありえない。煉瓦造りで見られる櫛形アーチは、壁の構造耐力を極力落とさないようにするために、幅を狭くした上で、上部が崩落しないように櫛形処理して力を脇へ逃がすためにある。
この時期、合理主義の構造体そのままの量産系建築物はもう下火になった。しかしこの建物が装飾的なのはそれとは関係がなく、この建物が民芸品を扱う観光施設だったからだろう。民芸品を扱う観光施設が羊羹形のモルタル塗りではつまらないではないか。
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Yôbikan at Kyûsyû Folk Craft Village