2005年06月19日更新
北九州プリンスホテル
アーケード「ペペ」
北九州プリンスホテルは、三菱化学が黒崎副都心南側の自社社宅跡地を独自に再開発した都市型リゾート施設。プリンスホテルが開発したのではない。施設は220室の都市型リゾートホテルを核として、緩やかな斜面地を巧みに利用して300mのアーケード「ペペ」を南北に通し、商業店舗とともに各種スポーツ施設を組み込む。
設計者の池原義郎はこのホテルに加え、隣接地の黒崎テクノプラザⅠ(1993)と三菱化学東王子社宅(16棟、1987)も設計した。池原の建築は凝ったものではないが、ゴシック様式よろしく空に伸びる感覚が共通項だ。ホテル棟は板チョコ形のつまらない形をしているが、平の中央にエレベーター塔を設け、両翼の塔屋を三角形に処理しただけで、大鷲が翼を広げているように見える。
アーケード「ペペ」は、キリスト大聖堂の身廊のような連続空間。ホテルと同じくゴシック風ながら、模倣ではなく記号化・抽象化の手順を踏んでから用いる。一直線のアーケードの単調さを避けるため、通路に段差や階段を設けて、一部の店舗は出店風に通路にはみ出させた。都市型リゾートホテルらしい清楚感あふれる空間という印象を受ける。
建物は第31回建築業協会賞(BCS賞)の受賞作品。照明普及賞も受賞した。
北九州プリンスホテルは初期投資が大きくいまだ赤字といわれるが、三菱化学はここの開発に意欲的だ。北九州市などが策定した「黒崎再生10年計画」に則ってイオンのショッピングセンターを誘致する計画のほか、「ペペ」を拡張して、複合映画館や大型書店、飲食店街、都市型温泉などを加える計画がある。
詳細は2004年末に発表ということだったが、西武グループは競合他社であるイオン進出に難色を示し、運営受託契約の解除を示唆して三菱化学を揺さぶった。
プリンスホテルとの契約は2005年3月末で切れたはずだが、名称は4月以降も「プリンスホテル」のままだから、受託契約は延長されたようだ。商業開発に関しては、ぱったりとなにも聞かなくなった。黒崎周辺は大型商業施設の開業が相次ぎ、出店の余地は日に日に小さくなっている。
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Kitakyûsyû Prince Hotel