ガゾーン関門都市圏

2008年10月11日更新

九州厚生年金会館(ウェルシティ小倉)

設計・施工
安井建築設計事務所(設計)、大成建設+大林組+奥村組(施工)
竣工・規模等
1984年9月竣工、SRC、地上9階地下1階塔屋2階、敷地面積1万2000㎡、建築面積7420㎡、延床面積2万3987㎡
場所
北九州市小倉北区大手町12-3
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正面玄関 奥はホテル棟

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厚生年金ホール(北側)

あらまし

九州厚生年金会館は、社会保険庁認可の厚生年金事業振興団が運営する施設。九州に厚生年金の本格的ホールをという話になり、当時九州最大の都市圏だった北九州市に立地した。1970~80年代にかけて北九州に立地した公益施設で、「九州」を冠したものはこういう安易な理由が多い。

会館は九州屈指の客席総数2200席を誇る大ホールを核として、大中小の会議室と宴会場、レストラン、客室数95のホテルなどで構成する。「ウェルシティ小倉」という愛称は世間一般には流通していない。

オルガン付の大ホール

北九州はかつて文化不毛の地と呼ばれた。大ホールはそんな時代の北九州にふさわしく絢爛豪華な仕様で、西日本最大級のパイプオルガンを舞台左手に設置する。類い稀な大型楽器で慢心を飾り立て、ホールの音響効果を台無しにした。海外の交響楽団の公演などでオルガン付の楽曲が演奏される場合でも、まず利用されない。

わたしは初めてこのホールを訪ねたとき、首をかしげた。眼前の状況が理解できなかった。こんな愚の骨頂が現実であるはずがない。演奏会が終わり、おもむろに近寄ってまじまじと眺め回し、そうか可動式のオルガンかと膝を打った。「さすが日本だ、オルガンもハイテクなのだな」と。可動装置はどこにも見当たらなかったが、演奏する際は定位置に移動するに違いない。

オルガンという楽器が舞台中央奥に設置するものだという知識はあったろう。そこに肩書きの立派な阿呆がやってきて、舞台の真ん中にそんなものを固定すると映写会その他のときに邪魔になるではないかと難癖をつけた。もしそうなら、オルガンなんぞは諦めればよかった。見栄を張りたかったのだろうが、恥をせきららに展示しているようなものだ。

わたしはこのホールへ行くたびにため息をつく。オルガンがまともな位置に設置されていれば、本格派の音楽ホールとして全国に名を轟かせたろう。このホールが竣工した時期、日本にオルガン付の大ホールがいくつあったろう。

オルガンは別として、建築物としての評価は高かった。会館は第27回建築業協会賞(BCS賞)の受賞作品。真向かいに同じく安井建築設計事務所が手がけた大手町ビル(1995)がある。

2005年6月22日作成

資料

参照記事(外部サイト)
九州厚生年金会館公式ホムペ
九州厚生年金会館 - 建築業協会
関連項目(ガゾーン内)
大手町ビル - 周囲から浮いた印象の業務ビル風の複合文化施設。
八幡市民会館 - 村野藤吾。オーケストラピット付、1454席の大ホール。
響ホール - 「知恵の輪」に着想を得たミラーガラスの建物。室内楽ホール。
ウェルとばた - 福祉系の複合公共施設。音楽用の大中小のホール。
リバーウォーク北九州 - 業務・商業・公共複合施設。演劇用の大中小ホール。

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