2005年06月17日更新
宇部全日空ホテル(宇部興産ビル)は、宇部でもっとも格式の高い都市型ホテル。宇部の社交場と位置づけられる。地上15階地下2階は宇部都心部でもっとも大きな建物でもある。
全日空(ANA)グループと宇部興産の共同出資により、国内18番目の全日空ホテルとして設立された。1983年に運営委託契約で開業し、現在は地元のユービーイーホテルズが営業権(フランチャイズ)契約で運営する。
宇部全日空ホテルは村野藤吾の死の前年に竣工した。村野は死の前日まで仕事をした人で、死後に竣工した建物も存在することからこれが最後ではないが、この作品はかれの死の翌年に第26回建築業協会賞(BCS賞)を受賞した。建築界は村野の長年にわたる功績をこの建物に投じて讃えた。
建物は全体としては福岡ひびき信用金庫(1971)と同じ雛型を用いる。低層のホールを交差点角の前面に出し、その背後に「く」の字型の高層棟を配置する。福岡ひびき信金がドイツ風の趣味性や装飾性に富む建物なのに対し、こちらは現代感覚で洗練・簡素化した。
村野の真骨頂ともいえるホール棟1階のピロティは大規模なもので、中央に噴水を配した豪華な車寄せだった。ピロティには粗悪な建物の吹きさらし駐車場という悪い印象が付きまとうが、村野のピロティはまったくの別物だ。現在は残念ながら噴水が撤去されて駐車場になったが、それでもホテルの玄関という華やかさは失っていない。
村野初期の代表作で国重要文化財の渡辺翁記念会館(1937)はここから徒歩数分の位置にある。宇部は村野建築に彩られた街だ。
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Ube ANA Hotel