ガゾーン関門北九州圏

2008年04月26日更新

アジア太平洋インポートマート

設計・施工
中井進=日建設計+北九州市(設計)、鹿島建設ほか(施工)
竣工・規模等
1995年10月着工、1998年03月竣工、SRC/RC/S、地上8階地下1階塔屋2階、高さ56.90m、敷地面積5万8832.33㎡、建築面積2万3819.38㎡、延床面積11万2165.01㎡(うち、流通センター棟8万3307㎡)、駐車場500台、事業費310億円
場所
北九州市小倉北区浅野3-8-1
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FAZの中核施設

アジア太平洋インポートマート(略称、エイム)は、国の「輸入の促進および対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法(FAZ法)」に基づく北九州市地域輸入促進計画の中核施設。FAZは不況時における公共事業の口実にはなったが、ハコモノ投資に見合う規制緩和がなかったために、各地で施設の破たんが相次いだ。エイムも例外ではない。

北九州市は全国で最初にFAZの指定を受けた。エイムの流通センター棟には当時日本発の国際流通企業として怪気炎を上げるヤオハンの入居が内定し、FAZ第一号は順風満帆の出だしが確実視された。しかし同社は建物の竣工直前に唐突に倒産した。これでケチがついて以来、この建物は北九州市の無駄な公共事業の象徴的存在となった。

ヤオハンおあつらえの3~5階床を埋めるために、北九州市は米国タコマ市の流通企業を誘致しようと試みたが、赤字が出たら補填するという呑めない条件を突きつけられて交渉は決裂した。4~5階は1998年に「輸入家具」の名目で大塚家具小倉ショールームを誘致したが、3階が埋まらなかった。結局、2005年に市立子育てふれあい交流プラザを開設、余りは中展示室や会議室にして北九州市が店子になった。

エイムはFAZの指定を受けたことで、店子誘致や施設利用に厳しい制約がある。当初、店子は「店舗型の卸売業を営む企業」でなければならなかった。輸入促進に関わらない目的での利用には割増料金がかかる。北九州市は利用障壁であるFAZの指定解除を検討したが、国から受けた補助金を返還する必要があり、足を踏み出せなかった。

建築計画

建物は東側に8階建ての流通センター棟、西側に三分割可能な8000㎡の無柱大空間を持つ西日本総合展示場新館を配し、その間に南北の大通路・ガレリアを通す。流通センター棟の屋上は非常時の水がめとして全体が分厚い水槽になっている。優良消防防災システム表彰。小倉駅とは空中回廊で結び、北側の西日本総合展示場本館(1976)とはガラス屋根で結ぶ。

銀色の階段塔や展示場の大屋根、30m角のガラスブロック大表示壁面など局所的に見所が多いが、全体としては大味かつ鈍重で、施設配置や動線計画が悪く、独りよがりで界隈性に乏しく、ひと気が感ぜられない。3階の店子が決まらないくらいで三セク破たんの権化と化したのは、FAZがどうこうではなく、閑古鳥が鳴いているような建物の印象に主たる原因がある。

参照記事(他サイト)
アジア太平洋インポートマート
国際物流拠点の整備 - 北九州市環境政策ハンドブック
北九州市監査公表第12号 - 北九州市
エイム - 日建設計
関連項目(ガゾーン内)
西日本総合展示場 - 磯崎新+川口衞の設計。単純明快な吊り天井

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