2005年08月11日更新
地方は言わずと知れた自動車万能社会である。鉄道は交通の主力から転落して久しい。しかし道路は鉄道のように点と点の連結ではなく、線として漫然と伸びることから、拠点機能が弱かった。道路に鉄道駅のような拠点機能を設けて地域の新しい核にしたいという熱望から生まれたのが道の駅だった。道の駅は休憩機能、情報発信機能、地域の連携機能の三つを併せ持つ道路施設で、もっぱら地方の国道などの基幹道路沿いに立地する。
豊前おこしかけは国道10号と椎田道路が分岐する山田交差点にある。ちなみに「おこしかけ」という名称は、神功皇后が宇佐参りのときにここらで石に腰掛けたという伝説に因む。建物は立体トラス造り骨組膜の大屋根が特徴。屋根の下は広場で、この広場に直売所などが面す。広場は屋台村として利用する。
骨組膜の大屋根のほかで目を引くのは、ドーム状の屋根を持つコンクリート打放しの便所。道の駅はもともと駐車場兼公衆便所が進化したものだから便所が豪華なのはめずらしくないが、ここは「日本一おもいやりのあるトイレ」と謳うくらいだから、相当の自信作だ。実際になかなかよいものだった。
夜間は投光器で屋根を照らし上げて間接照明する。この照明がきれいらしく、照明学会の2000年照明普及賞(78施設のうちの一つ)を受賞した。
豊前おこしかけは隣の道の駅しんよしとみ遺跡前との競合が悩みだ。両者は同時期の開業で、自動車で数分の距離(約8km)にある。しんよしとみは新吉富村が村の全部を持ってきたような力の入った施設だから、おこしかけは相対的に影が薄い。
隣接地に二つの道の駅が開業したのは、調整に失敗したからだ。豊前市は中津市と行橋市の影響圏の谷間であり、周辺自治体との関係がうまく行っていない。それは、平成の大合併で豊前市が周辺自治体にすげなく振られたことからも知れる。
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Buzen Okosikake Road Station