2006年11月27日更新
チャチャタウン小倉は、西日本鉄道(西鉄)の観覧車付の大型複合商業施設。名称は北九州方言で用いる断定の助動詞「ちゃ」を重ねたもの。
建物は西鉄北九州線の砂津車庫跡地に建設した。外部空間を取り込んだ開放型で、映画館棟、物販・飲食棟、駐車場棟を中庭を囲むように配置した。都心周縁に立地し、周囲に百貨店が複数存在することから、核店舗の誘致はすっぱり諦めて専門店の集合体にしたのは潔い。
主題は「ぶらぶら歩きが楽しめる路面店感覚の商業施設」。生鮮スーパー(にしてつストア)、大型雑貨、電器店、服飾店、飲食店などの生活に密着した店舗に、複合映画館(シネプレックス小倉)、ゲームセンター、観覧車などのレジャーの要素を溶け込ませて、日常と非日常が混在する独特な商業空間を提供する。
開放型の施設は冬は寒く夏は暑い北九州の気候風土に合わず、空調損失が大きく、環境にもやさしくない。しかし、四季を愛でる日本人の感性に合うのか、あるいは、ごちゃごちゃした繁華街風の界隈性が馴染みやすいのか、ここに限らずどこでも結構な人気がある。
チャチャタウンの場合は駐車場が無料(1円でも買い物すれば無料券進呈)ということもあって、地元住民の支持が厚い。リバーウォーク北九州(2003)やセントシティ北九州(2004)の開業後も売上は大きく落ちていないという。
商売的には大成功といえるが、まちづくりの観点からいえば西鉄は不愉快な存在だ。この施設は延床5万㎡弱もあって事業費わずか50億円。言わずと知れたハリボテだ。質感はザ・モール小倉(1995)や戸畑サティ(1999)などの郊外ショッピングセンターと比較してもあからさまに悪い。建物はもう償却済みだろう。
西鉄は「より高次のサービスは福岡で提供するのだから、北九州には日常生活を満足させる施設があればいい」という立場だ。福岡では債務超過を臆せず豪華施設を建設して街づくりに貢献する一方で、北九州では極限までコストカットした安普請で利益のみを貪欲に追求する。
北九州市が質の高い街づくりに躍起になっても西鉄には馬耳東風だ。最近では山城屋跡地に建設したサンリヤン門司港(2005)がそうだった。市民のだれがあの場所にシリーズ物マンションを望んだというのか。
西鉄は前身の一つである九州電気軌道が発足した1908年以来、北九州で約100年も商売をしてきたのだから、地元企業に準ずる企業だろう。しかし路面電車は全廃し、いとうづゆうえんは潰し、地域貢献からは根こそぎ撤退した。
いま西鉄が北九州で自主的に行う新規事業はビジネスホテルなどの短期で確実に儲かることだけだ。北九州を金づるとしか見ない西鉄の企業姿勢には深く失望した。
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