2009年8月26日更新
小倉北区役所 大曲線の待合室あたり
小倉北区役所 右隣は北九州市第二庁舎
小倉北区役所庁舎は、北九州市に七つある行政区の一つ、小倉北区の事務所。北九州市役所の第三庁舎でもあり、床に占める割合では市役所のほうが大きい。区役所だけならこんな大きな庁舎は必要なく、3階建てで間に合う。
新庁舎は1999年1月4日に開庁した。以前の庁舎はリバーウォーク北九州(2003)の位置にあり、当初は現地再開発ビルに新区役所を組み込む計画だった。しかし1994年4月の「小倉北区役所敷地拠点開発構想素案」に新区役所の掲載はなく、三萩野の旧国鉄用地と大手町の現在地が移転候補地に挙げられた。
1980~90年代の三萩野には、最先端商業施設の建設と、小倉北区役所の移転により、都心南下を促すという野心があった。夢破れて前者の予定地にはメディックス三萩野(2003)が建ち、後者の候補地にはポレスターメガシティ小倉(2008)が建った。新庁舎は市役所の機能を併せ持つことになり、第二庁舎(1982)の隣に納まった。
新しい小倉北区役所は北九州市第二庁舎との一体化が主題だった。二つの建物を空中回廊で連結しただけでなく、高さを揃えた。外観はアシスト21(1999)や海峡ドラマシップ(2003)と同じく、ガラスの帳壁(カーテンウォール)に日除けなどを加えて、当世風に仕上げた。久米設計は北九州市第一庁舎(1972)の設計者でもある。
北九州市第一庁舎はこれまでにない巨大な規模とガラスのカーテンウォールで新時代の到来を告げた。久米設計が自らの過去の作品に敬意を払い、その伝統を第三庁舎に受け継がせたのは当然だ。しかし、まったく同じでは芸がない。新庁舎は鉄の都・北九州らしさを意識して金属質に仕上げた。
毛深い外観は生産設備のような雰囲気があり、工業都市の庁舎としてふさわしい。外観の特徴をなす大曲線のガラス箱は気にいらない。直線と曲線を巧みに組み合わせた建物は少なくないが、この2層吹き抜けの待合室は取ってつけたような安直さだ。全体の造形に対して強い違和感がある。
2007年2月12日作成、2008年12月22日更新
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