ガゾーン関門都市圏

2008年12月8日更新

マニワ(MANIWA)

設計・施工
吉柳満(設計)
竣工・規模等
1995年竣工、延床面積2338㎡
場所
北九州市八幡東区尾倉2-5-1
画像

MANIWA 2005年5月

吉柳満の雑居ビル

設計者の吉柳満は歓楽街の雑居ビルが得意な建築家だ。小さな店舗がごちゃごちゃ入居して、あちこちから出入りできるような猥雑な建物。それでいて、若者向けの飲食店が好んで入居したくなるようなしゃれた建物。

入居者はもっぱら個人や零細事業者だから、要求は多いが高い賃料は払えない。従って、建物はコンクリート打放しにスプレーで色をつけたようなハリボテになる。竣工時はクールでも、10年も経つと安普請が隠せない。

吉柳建築の遺伝子

MANIWAは歓楽街立地ではないが、吉柳の歓楽街建築の遺伝子を受け継ぐ。建物は現代芸術の拠点として知られるCCA北九州の東側に立地する。用途は1~3階が店舗と駐車場、3~9階が共同住宅。建物本体は黒が基調で、表通りに面した北側(ファサード)、および東側と西側は銀色の羽目板を張りつけた化粧壁で塞ぐ。

ファサードは銀色の化粧壁を黒い階段室が斜めに貫く。この階段室は横材のよろい張りで、外から見れば光を吸収して真っ黒に見えるが、内部が明るいことは塔屋あたりを見れば知れる。共同住宅だから背中(南側)に化粧壁はなく、横に連続するベランダを各階に設ける。黒くなければ普通のワンルームマンション風だ。

吉柳はそれぞれの機能の玄関を自立させることを好む。真ん中の石張り部分が1階に入居するカーテンとインテリアの店・MANIWA(馬庭)用。両脇の階段は3階の店舗用。左手の階段は店舗奥にある住宅の玄関ホールへも繋がる。住宅の表玄関は駐車場入口のある東側の側面にある。

この玄関は見てくれはよいのだが、利便性は低そうだ。MANIWAはこんなに小さな玄関で店の存在をアピールできるのか。レストランならこれでよかろうが、物販店向きの玄関とは思えない。

十年一昔

建物はいまでも遠目にはクールだが、化粧壁は竣工以来一度も手入れしていないらしく、相当に汚らしい。玄関ホールへ入ると、スプレーしただけの黒い塗装がぼろぼろに剥がれ落ち、いたるところで白い下地が剥き出しになっている。解体前の建物かと疑うほどのひどいありさまだ。

建物にとって10年は1日のように思える。しかし安普請で手入れもしなければたった10年でこんなに傷むのだ。わたしは10年以上健康診断すら受けていない。この建物の状態を見ると、不摂生な自分の体はどうなっているのかと不安に駆られる。

2005年8月13日作成

資料

参照記事(外部サイト)
なし
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なし

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Maniwa (Apartment)