2006年03月08日更新
港ハウスは、門司港レトロ地区の観光物産館。ブルーウイングもじ(跳ね橋)の北側に位置し、正面には旧門司税関(1912)と国際友好図書館(1902/1994)がある。門司港レトロはなごむ場所はあっても観光客が金を落とす場所がなかったことから、北九州市が施設を新たに建設した。施設は2棟からなる。
営業棟は、1階が函館・青森・下関などの海峡都市の特産品を販売する「海峡市場」、北九州市特産物を扱う「観光市場」、個性的な商品を揃えた「テイクアウトコーナー」。2階が150名の団体客にも対応できるレストラン「海峡ダイニング」。海峡ダイニングは団体観光客のご用達だ。
公共棟は、1階が観光情報コーナーと土産品販売コーナー「よりみち」。2階が貸ホール。
営業棟は方形屋根の石造り風で、上から見れば正四角形の建物。公共棟はコンクリートブロック造りの切妻倉庫風。2棟は2階の渡し廊下で連結し、この廊下から階段が下りる。
観光開発は悪くないが、悪擦れた観光地によくあるまがい物はいらない。観光客は本物を見たがっている。贋作や複製品に対する目は厳しい。似非懐古が蔓延すると、やがて観光客は本物にも疑いの目を向けるようになる。
歴史は金では買えない。努力や意欲でどうなるものでもない。だからこそ価値がある。観光客が物足りなさそうな顔をしているからといって、歴史の水増しはできない相談だ。
しかし別の見方もある。レトロは「回顧」「回帰」の意であって、新築レトロを「贋作だ複製品だと非難するのは筋違いだ」と知人は言った。「いつからレトロは近代建築の意になったのか。レトロは過去の模倣を否定していない」。
レトロは現在から過去を眺めたときの慕情である。近代建築は慕情を投じる従物であって、主物はあくまで人間の主観にあるという意見はわたしには衝撃だった。なるほどこの考えのほうが本義に近いし、門司港レトロはそのように組み立てられている。わたしはこの意見に対して反論ができなかった。
©2008 GaZONE Kanmon-Kitakyûsyû. Morrie & Co. All rights reserved.
Minato House