2008年10月18日更新
下関市細江町駐車場 2007年8月
下関市細江町駐車場は、下駅地区の外れにある下関市営の大型自走式駐車場。施設の付属駐車場ではなく単独の駐車場だ。隣接地に海峡メッセ下関や下関警察署があるから、もっぱらそこを利用する方や勤務する方が利用するのではないか。
駐車料金が高額なのが気に入らない。最初の1時間が100円、以降20分おきに100円は、場末に立地するにもかかわらず割引率が低い。24時間で1500円は小倉北口の民間駐車場の2倍だ。あまりにひどすぎる。
建物は安普請ばかりの駐車場建築の中では異彩を放つ。利用したことがないため内部の特徴や使い勝手は分からないが、外観はわたしが知る限りでいえば、関門都市圏でもっともよい。
駐車場としての形式は4層5段の平坦式(フラット)。配置は車道の両側に直角駐車する型で、これを2棟ハの字に組み合わせ、東西の妻側に半円状の傾斜路(スロープ)をつけて上り下りする。
ハの字連結のため、傾斜路の半径は下りが小さく、上りが大きい。この大きいほう(写真)の屋上に帆を掲げ、夜はライトアップする。船溜に面することから、全体の造形は帆船を模した。
駐車場が立地して街がうらぶれた雰囲気になることは多多あるが、街を華やかにする駐車場というのは相当にめずらしい。駐車場は設備にすぎないと軽んじて、無骨な既製品を設置して憚らない施主に見せてやりたい駐車場だ。
細江町駐車場は見目秀麗ながら、海峡あいらんど21計画(国鉄細江貨物ヤード跡地の再開発)での位置づけは低そうだ。自動車での来街者は利便性を求めているのに、駐車場を街外れに建設してどうする。自動車客は公共観念の薄いわがまま者だから、駐車場から延延と歩く罰ゲームを与えて懲らしめてやれ。そんな発想だから郊外にやっつけられる。
自動車社会では駐車場こそが都市のターミナルだ。20世紀の鉄道駅のように、中心施設として効果的に配置してもよさそうなものだ。パチンコ屋の永楽本店がある区画あたりに現在の4~5倍規模の駐車場をつくり、下関市が愛着してやまない歩道橋で各施設を連結すれば、下関都心部の共用駐車場として重宝がられたろう。
「少子高齢化社会」や「環境にやさしい街づくり」をお題目に昭和レトロな商店街を復古させようという動きが盛んだが、都心から自動車を排除すればするほど商業機能や業務機能が郊外へ散り散りに移転して、都心はますます衰退する。市街地がアメーバのように方向性なく広がると、やがてバスも立ち行かなくなる。強い都心は公共交通を延命する手段でもある。
都心から車を追放して郊外化が進展すれば、開発による環境破壊を助長し、希薄な市街地は高齢者や子供を孤立させる。少数派にやさしい街づくりをしたければ、多数派の支持を取り付けることが先決だ。バスや電車を利用しろと命令すれば郊外が繁盛する方程式になぜ気づかない。自動車が居心地よくすごせる街づくりを行えば、多数派は必ず都心に戻ってくる。
2007年9月1日作成
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Hosoetyô Parking, Simonoseki City