2010年11月12日更新
海響館 玄関部あたり
海響館 唐戸泊地側
海響館(下関市立しものせき水族館)は、長府外浦にあった旧水族館を街なかの唐戸桟橋へ移転新築した新しい水族館。旧水族館は1956年の開館時は東洋一の規模を誇ったが、40年以上が経過して老朽化していたところに、1999年の台風18号の高波を受けて損壊、利用できなくなった。
海響館は旧水族館の約4倍の延床面積を有す。建物が大きくなって室内テーマパーク的に娯楽色が強まった。イルカショーが見られる「アクアショー」のような定番から、水槽にトンネルを通した「関門海峡潮流水槽」のような最新の仕掛けまで取り揃えて、新旧の水族館ファンが楽しめる内容になっている。
俗受け狙いだけではない。水族館は水生生物の学習の場であり、捕鯨とフグ(フク)の水揚げで名高い下関港に因んだ見世物として、世界に数体しかないシロナガスクジラの全身骨格標本や、100種類以上の世界のフグ目魚類の展示などがある。
初年度の入館者数の見込みは80万人だったが、開業3ヶ月で50万人を突破するなど水族館ブームにうまく乗った。気に入らないのは価格設定。一般の入館料は2000円。これとは別に駐車料金が20分100円(祝日)必要だ。水族館の運営に金がかかるのは分かるが、1回で2500円前後も取られては気軽に立ち寄れない。
海響館はあるかぽーと開発事業の一環として、唐戸市場(2001)、カモンワーフ(2002)とともに計画された。あるかぽーと開発は関門港(下関港)東港地区の地先埋立地の開発事業。開発の基本方針は「海峡まるごとテーマパーク」。三つの大型施設が竣工して、唐戸桟橋は下関の「晴れ」の舞台として再生した。
新水族館は鯨を模した貝殻(シェル)構造の大屋根が外観の特徴をなす。この屋根は楕円形の建物に被さるだけでなく、建物から突出した玄関部の上空に伸びて屋根のある屋外空間をつくる。壁面は市街地側が煉瓦主体で重厚なのに対し、海側はガラス箱を付着させて関門海峡の爽快感をうまく取り入れている。
下関の歴史性・場所性を「くじら」というモチーフとしてあらわすことにより、現代的手法でありながら市民にとっても愛着のある景観を創り出している。大屋根のシルエットとレンガ調タイルの外壁は門司と下関という関門海峡を挟んだ二つのまちのイメージとともなって、遠く門司港レトロや関門大橋などからの眺望にも配慮されている。また、関門海峡の海の蒼さ・空の青さを背景にランドマークとして新たな景観をかたちづくっている。(まちよそ)
2006年11月26日作成
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Kaikyôkan Aquarium