2006年09月12日更新
ウェルとばたは、北九州市の複合公共施設。日立金属発祥の地の再開発(戸畑駅南口土地区画整理事業)に伴い、1999年に戸畑駅の駅舎を百数十メートル南に移して南口広場を新たに造成、広場で分割された跡地南側に商業施設の戸畑サティを建設し、跡地北側に公共施設を建設した。
施設は三つの部分で構成する。JR鹿児島線側の事務所棟には北九州市の福祉行政機能を一堂に集め、県道50号側の北側に台形の戸畑市民会館大ホール、南側に円形の戸畑市民会館中ホール、多目的ホールを配す。戸畑駅と人工地盤で繋がるため、2階が地上相当で1階はもっぱら駐車場。
市民会館を鉄道から離れた位置に持ってきたのは、騒音・振動対策だという。棟は鉄骨鉄筋コンクリート造りで、部分的に浮き構造を採用した。千防にあった旧戸畑市民会館(1962-2004)は北九州ではクラシック音楽の殿堂だったから、旧施設よりよくなるように万全を期したわけだ。
800席の大ホールは舞台に折畳み収納式の可動音響反射板を備えた。劇場としても使えるように回り舞台や各種迫り装置も備えた。音響に関して客の評判は結構よい。劇場としては、「2階席からは舞台が半分しか見えず、手すりで視野が遮られる」(消息筋)。中ホールは300席、多目的ホールは固定席のない客席と舞台からなる。階段式通路は「高齢者が躓いて怪我が続出」(同上)と呪われている。
事務所棟は鉄骨造り(S)で、オイルダンパーによる制震構造として、地震や風揺れの低減を図って居住性を向上させた。公共施設ならではの豪華仕様で、北九州にある民間業務ビルでこんな立派な建物は他に思いつかない。
しかし外観はひどい出来だ。出来合いの建築ブロックを積み木よろしく組み合わせた印象しかない。特に事務所棟の安易な板チョコ形の形状は情けない。ホールを鉄道線から離す配慮があるのなら、事務所棟の平を鉄道線に向けるのは方手落ちなのではないか。
しかもこの事務所棟は戸畑南口に対して横を向いている(写真1枚目)。駅前の景観を造るという意気込みがまったく感ぜられない。
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Wel Tobata Public Facilities Complex