2009年5月26日更新
戸畑南口広場から
幹線10号の空中回廊
ウェルとばたは、北九州市が建設した福祉系の複合公共施設。日立金属発祥の地の再開発(戸畑駅南口土地区画整理事業)に伴い、1999年に戸畑駅の駅舎を百数十メートル南に移して南口広場を新たに造成、広場で分割された跡地南側に戸畑サティ(1999)を建設し、跡地北側に公共施設を建設した。
施設は三つの部分で構成する。JR鹿児島線側の事務所棟には北九州市の福祉行政機能を一堂に集め、幹線10号側の北側に台形の戸畑市民会館大ホール、南側に円形の戸畑市民会館中ホール、多目的ホールを配す。戸畑駅と空中地盤で繋がるため、2階が地上相当で1階はもっぱら駐車場として利用する。
市民会館を鉄道から離れた位置に持ってきたのは、騒音・振動対策のためという。棟は鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造。部分的に浮き構造を採用した。千防にあった旧戸畑市民会館(1962-2004)は北九州ではクラシック音楽の殿堂だったから、音響への影響を徹底的に排除した。
800席の大ホールは舞台に折畳み収納式の可動音響反射板がある。劇場としても使えるように回り舞台や各種迫り装置も備える。ただ、「2階席から舞台が半分しか見えず、手すりで視野が遮られる」(消息筋)。階段式通路は意匠先行で利用性が熟慮されておらず、「高齢者が躓いて怪我が続出」(同上)という。
事務所棟は鉄骨造(S)。オイルダンパーによる制震構造として、地震や風揺れの低減を図って居住性を向上させた。公共施設ならではの豪華仕様で、北九州にある民間業務ビルでこんな立派な仕様は聞いたことがない。
外観はひどい出来だ。出来合いの建築ブロックを積み木よろしく組み合わせた印象しかない。特に事務所棟の安易な板チョコ形の形状は情けない。ホールを鉄道線から離す配慮があるのなら、事務所棟の平を鉄道線に向けるのは方手落ちではないか。
しかもこの事務所棟は戸畑南口に対して横を向いている(写真1枚目)。駅前の景観をつくるという意気込みがまったく感ぜられない。
2006年9月12日作成
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