ガゾーン関門北九州圏

2005年12月20日更新

海峡ドラマシップ

設計・施工
環境デザイン研究所+大崎・総合設備・トーホー設備・森川設計共同体(設計)、大林・九鉄・石山・特定建設企業体(施工)
竣工・規模等
2003年04月26日開館、S/SRC/RC、地上5階、敷地面積約1万3400㎡、延床面積9898㎡、事業費約100億円
場所
北九州市門司区西海岸1-3-3
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あらまし

海峡ドラマシップは、北九州市と福岡県が折半で費用を拠出して建設した観光客向けの展示施設。「ミュージアム」を自称するが北九州市観光課が運営し、学芸員はいない。

館内は大正期の門司港の町並みをハリボテで再現した「海峡レトロ通り」、関門海峡の海底をイメージした映像ホール「海峡アトリウム」、子供向け遊具のある吹き抜け空間「ガレリアと海峡こども広場」、海峡を眺められる休憩室「市民交流ギャラリー」、人形芸術によってたどる歴史絵巻「海峡歴史回廊」、関門海峡の船舶情報や航行の操船疑似体験ができる「リアルタイム関門海峡」からなり、最上階には食堂がある。

建築計画

建物の海側は上方へ反り返った楕円のガラス建築で、周囲に庇をめぐらす。ガラスに日除けを加える手法はアシスト21(1999)でも見られる。陸側は対照的に直線主体の大壁面を持つ。建物上部には船の帆を模した飾り物を乗せる。この飾り物が太陽電池なら有意義だが、そういう記述はどこにも見当たらない。正面は船というよりは蟹を思わせる。

1枚目の写真では宝石のようにきらきらしてきれいだ。このデフレの時代に延床1万㎡で100億円も突っ込んだのだから質感が悪いはずがないし、実際に日本人好みによくできている。門司港レトロに対して調和あるいは対峙するという姿勢がなく、「豪華公共施設わが道を行く」という風情が気に入らない。門司港ホテル(1997)や門司港レトロハイマート(1999)のように、なんらかの立場を示してほしかった。

場当たり的

いのちのたび博物館(2002)は、国内有数の所蔵を誇りながら常設展示施設を持たなかった自然史博物館を入居させるものだったが、海峡ドラマシップは所蔵品や展示物があっての施設建設ではなかった。「県立施設は全部福岡」という長年の不満がついに大噴火して、北九州にもなにかつくらなければ収まりがつかなくなった。

しかし事業費は結果として市と県の折半となり、不採算部門を市が受け持つなど、市の施設としての色合いが強い。また、門司港レトロ地区の集客力強化を目的としながらレトロ地区から離れた位置に建設され、博物館を予定しながら室内テーマパーク的な施設になるなど手法も場当たり的で、レトロ地区との連携や継続的な集客効果など疑わしい部分が多かった。

海峡ドラマシップは初年度こそ大入りだったが、2005年には早くも入館者の減少に悩む。わたしはこれが開館したときに「施設はテーマパーク同様に数年毎の大規模な更新が必要だ」と書いた。アトラクションが集客できるのは3年が限度だ。室内テーマパークにした以上は、3年ごとに更新してもらいたい。

参照記事(他サイト)
海峡ドラマシップ
関連項目(ガゾーン内)
門司港ホテル - 門司の鮫。アルド・ロッシの遺作。門司港を代表するホテル
門司港レトロハイマート - 黒川紀章設計の分譲タワーマンション
海響館 - 対岸の観光施設。鯨を模した貝殻構造の大屋根が特徴の水族館
門司税関一号上屋 - 道路向かい。旧大連航路発着所。現在は港湾倉庫
アシスト21 - ガラス建築に日除け。客船風の外観を持つ公共施設。

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