ガゾーン関門都市圏

2008年10月25日更新

アモーレヴォレ・サンマルコ

設計・施工
未調査
竣工・規模等
2006年6月開業
場所
北九州市門司区松原1-8-12
引用

画像引用 日本セレモニー

あらまし

アモーレヴォレ・サンマルコは、日本セレモニー(本社、下関市)が運営する結婚式場。門司駅北口の大里海岸に立地する。その名が示すとおり、イタリア・ベネチアにあるサンマルコ寺院を模した。サンマルコ寺院はベネチアでもっとも有名な教会。ビザンティン建築の代表格とされる。

建築としての結婚式場

結婚式場を建築の観点から見ると、大きく分類して仮設建築系(新築志向)と本格建築系(本物志向)に分かれる。仮設建築系はアルカディア小倉アーフェリーク迎賓館がよい例だ。投資回収は3年~5年程度で、工事現場の仮設建築をきれいに着飾らせ、本設化したような同じ型の建物を各地で量産する。

日本人は新築志向が強い。人生の新たな出発点となる結婚式では、ことさらに新しい式場を選びたがる。そのくせ、バブル景気が後退した現在では費用を出し惜しむ。

仮設建築の結婚式場は「安くて新築」を望む日本人独特の性向が生み出した。結婚式場は他業種への転用が利かず、流行も移ろいやすい。将来のことはだれも分からないのだから、短期回収が可能ならそれに越したことはない。

短期回収の仮設建築に真っ向から対立するのが日本セレモニーだ。同社は建物にこだわり、規模にもこだわる。関門都市圏にはウエストミンスターズパーク ヴェルジェ(八幡西区)、グランプラス セント・バレンタイン(下関市)の先例があり、どちらも建物は見映えがよい。しかも、開業当初は「○○最大級」だった。

大里の結婚式場が日本セレモニーと聞いたときは期待できると思った。建物が物凄そうなのは想像図のとおり。規模は今度は日本最大級だそうだ。関門海峡は広域集客力があり、サンマルコは風光明媚な場所に陣取る。関門200万都市圏のみならず、北九州・山口広域が商圏になると踏んだのだろう。

日本セレモニーの結婚式場は本格建築とは言っても、まがい物ばかりだ。どうせ金をかけるなら唯一無二の本物をと思うが、そうはいなかい。消費者は気まぐれで移り気だ。大枚を投じ、回収に時間がかかるからこそ、投資リスクを回避するためにヨーロッパの本物にあやかる。

長い歴史を経て揺ぎない価値を確立した本物は色あせない。流行に左右されない頼もしい存在だ。門司のサンマルコは「ベネチアのサンマルコ寺院から名前を譲り受け、姉妹協定を結んだ日本で唯一の大聖堂」という。それにしても、よい建物をつくりたければまがい物になるというのは皮肉な話ではある。

過当競争

気がかりなのはサンマルコから数キロ南にあるアルカディア小倉。「西日本最大級」が開業時の宣伝文句だったこの結婚式場も大掛かりだ。仮設建築系の最大の武器である「新築」の看板を本格派に取られると、厳しい立場になると予想される。

不幸中の幸いは性格が異なることだろう。アルカディア小倉はあくまで軽く、明るい。ハウスウエディングだから、映画セットのように自分好みに会場を仕立てられる。一方、サンマルコは荘厳に傾き、雰囲気が重い。悪く言えばお仕着せがましい。棲み分けはできそうだから、あとはいくら値引きできるかだろう。

2006年1月29日作成

資料

参照記事(外部サイト)
アモーレヴォレ・サンマルコ公式ホムペ
関連項目(ガゾーン内)
グランプラス セント・バレンタイン - セントポール寺院を模した結婚式場。
サン・ミッシェル教会 - ベルクラシックの教会型の式場。本格派の走り。
アルカディア小倉 - 結婚式場のテーマパーク。仮設建築の集合体。
アーフェリーク迎賓館(小倉) - ハウスウェディング。3年償却の仮設建築。

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Amorevole San Marco (Wedding Hall)