2007年09月30日更新
コスタ行橋は、ハローデイ(本社、北九州市)が開発した生活密着型の複合商業施設。1331台収容の共用駐車場の中に計10棟13店舗を配置したオープンモールの形態を取る。核店舗と呼べる頭抜けた店舗はなく、どれも横並びの規模だ。
場所は国道496号から行橋みやこ大橋を渡った今川の対岸。行橋駅西口から道なりで約1.4kmの距離にある。川を挟んだ対岸にはゆめタウン行橋が立地する。ゆめタウンはコスタが開業するまでは行橋最大の商業施設だった。
開発前は田んぼだったようだ。川沿いは利水の便がよく、一方で洪水の危険があるから、周囲で市街化が進行しても最後まで農地のまま残る。ここらは行橋駅から最短距離にあるまとまった農地だった。しかし人口減少社会の到来が声高に叫ばれている中で、農地転用による虫食い開発を容認したのは疑問だ。
施設は共用駐車場の中にフェルマータ記号のように独立店舗を配置した。中心にあるのはツタヤとセガが入居する複合店舗。この北側にココ壱番屋などの飲食店が三つある。周縁の店舗は、北側からハローデイ、サンドラッグ、ライトオン、紳士服のフタタ、ケーズデンキとヒマラヤ、ダイソー、グッデイ。建物はどれも類型量産タイプで、見るところはない。
オープンモールは郊外の複合商業施設では常套だが、仕事帰りにばたばた立ち寄って、用を済ましたら一目散に逃げ去る、そんな貧しい印象がある。3~5店舗の編成なら町を構成する一要素に成り下がって違和感がない。これだけの規模がありながら寄せ集めから抜け出せないのは開発業者の怠慢ではないか。
フェルマータ配置は敷地の効率利用という点では優秀だが、消費者を魅了する力があるとは思えない。ここははたして物流センターなのか。
カテゴリーキラー(業種別一番店)を集めたパワーセンターは、いまもっとも消費者の支持が厚い業態だと言われる。行橋のような郊外都市で必要なのは、この強力かつ安上がりな業態を大胆にまちづくりに組み込み、いわば郊外を集積させた「郊外の中心」を形成することだろう。
フェルマータ配置のコスタは動線が共用駐車場の内部に留まり、外への広がりを持たない。敷地内を区画整理し、街路を引き込んで商業団地化しておけば、同じ店舗構成でもまちづくりの役に立った。くりえいと宗像のように街区で展開したパワーセンターは、新たな中心市街地となる可能性を秘めている。
5月22日のコスタ行橋完成祝賀会には行橋市長も出席した。市は行橋駅西口で良質な土地区画整理をしておきながら、東口への遠慮からか思い切ったまちづくりができていない。田んぼを潰すのではなく、行橋駅西口にカテゴリーキラーを集めれば、西口をパワーセンター化することができたはずだ。
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Costa Yukuhasi (Shopping Mall)