2007年11月25日更新
イオン岡垣ショッピングセンターは、イオンの生活密着型の複合商業施設。イオンスーパーセンター岡垣店を核店舗として、物販や飲食、サービスの専門店30が集まる。従業員数500名。商圏は遠賀郡を中心とした約17万人・6万世帯。北九州地区にイオンは多いが、この業態の出店は初めて。
進出地は前牟田橋交差点南西の田んぼを潰した造成地。周囲は有機肥料の臭いが鼻につく田園地帯で、近年非難を浴びている郊外出店の典型だ。前牟田橋は遠賀郡の地理的な重心に位置し、芦屋町からは国道495号、遠賀町からは県道286号、岡垣町からは県道287号経由でたどり着ける。
イオン岡垣は2005年9月に大店立地法に基づく届出を済ませたが、悪影響が岡垣町に留まらず複数の自治体へ及ぶため、都市計画法に基づく開発許可を得るのに2年を要した。改正まちづくり三法が2007年11月に施行された。北九州郊外の大型商業施設はこれが最後になろう。
イオン岡垣は改正まちづくり三法を睨んでの駆け込み出店であり、小商圏が対象の店舗とは思えないほど大きい。今後ライバルの出店は規制されるから、無理をしても既得権益を囲い込む狙いがあったろう。イオン九州はイオン若松(2002)でも駆け込み増床を済ませた。
建物はL字形状の共同店舗で、戸畑サティ(1999)を平屋で展開した感じだ。正面の駐車場からは横広の建物に見えるが、スーパーセンター部分は横幅と奥行きがほぼ等しい。この奥行きは一見したところ感ぜられないため、側面に回り込むとぎょっとする。一床の比較では、イオン八幡東(2006)より大きく、イオンモール直方(2005)よりは小さい。
外壁は遠目にはトタンに見える。感触からすると金属系の角波サイディング(羽目板)ではないらしいが、赤茶色、薄茶色、クリーム色の三色縦張りは、イオンの看板がなければ場所柄トタンの畜舎かといった風情だ。実際の質感は遠目の印象ほどには悪くない。安物だからと割り切らず、清潔感がある仕上がりと感じた。
イオン九州のスーパーセンターは毎日の生活に必要な衣料品、食料品、住居・余暇関連商品などを幅広く品揃えした店舗だ。総合スーパーのジャスコとホームセンターのホームワイドで蓄積したノウハウを融合させた業態として、2005年から人口5万人規模の小商圏を対象に出店している。
店内構成は理にかなう。スーパーセンターの中央を占めるのが総合スーパーで、左側が食品売場、右側が衣料品・日用品売場になる。奥から右手にかけての死に床には売場効率の悪いホームセンターが入る。右端は園芸や石材などの外売場。専門店街は高賃料が期待できるスーパーセンターの正面から左側の突出部分にかけて入居する。
スーパーセンターの店内は広いことは広いが、柱が林立して大空間の雰囲気がない。縦横ほぼ同寸で目的の売場まで途方もなく歩かされることがないのはよい。専門店街はすでに閉店していたため眺めただけだが、ドーム型アーケードや吹き抜け、天窓などの空間演出がなく、華やかさに欠ける。
イオン岡垣は一般定義のスーパーセンター業態というよりは、イオンショッピングセンターの劣化版という印象を受けた。萩や日田のような孤立した小商圏ならばイオンショッピングセンターの代替としてそれなりの魅力があろうが、有力な競合店がひしめく北九州西部にあっては、劣化版では選択肢にならない。
イオン岡垣がいう「遠賀郡を中心とした約17万人」の商圏には、ジャスコが核店舗のイオン若松のほか、ショッパーズモールなかまやゆめタウン遠賀があり、イオン岡垣でなければ買えない商品やサービスはない。従って、イオン岡垣の商圏は近場の岡垣町と遠賀町の5万人程度以上には広がるまい。
©2008 GaZONE Kanmon-Kitakyûsyû. Morrie & Co. All rights reserved.
Aeon Okagaki Shopping Center