2008年10月26日更新
JR八幡駅は、北九州市八幡東区にあるJR鹿児島線の旅客駅。九州鉄道時代の1902年に春の町に設置され、太平洋戦争後の戦災復興計画により1955年に西本町へ移転した。新駅舎建設により撤去された前代駅舎はこのときに建設された。乗車人員(降客含まず)は7327人/日(2006)。
形式は島式乗り場2面4線の地上駅で、一般市街地と旧八幡製鐵所構内を隔てた土手の上にある。もっとも南口広場は人工地盤の上にあり、土手と同じ高さだから駅が見上げる位置にあるわけではない。人工地盤の下を国道3号バイパスが通るが、駅前は車影まばらで閑静な環境だ。
駅前を平面的に造成したのは先見の明があった。同じ立地環境の黒崎駅は人を3階に追いやった結果、人の流れが人工地盤に滞留して、既成市街地との断絶が生じた。黒崎も平面的な人工地盤を設けていれば、駅と人工地盤で接続した施設のみが栄えて、既成市街地が不毛になることはなかったろう。
新駅舎への建て替えは、前代駅舎に入居した北九州市立自然史博物館がいのちのたび博物館(2002)に集約されて空きビルとなり、老朽化により新たな店子が見込めなかったためだ。新駅舎が駐車場化したことは地元では評判が悪い。門司駅より乗降客数が多いのだから、駅の商業施設「フレスタ八幡」を期待する向きが多かった。
八幡の新駅舎が立体駐車場となったのは、JR九州が21世紀の駅前のあり方を熟考した結果ではあるまい。JR九州は大切な大切な博多駅の再開発に経営資源を割かれて金がない。有象無象の駅ではキャッシュフロー最重視で即回収できる事業でなければやりたくない。駐車場がもっとも安心安全で手っ取り早い。
八幡駅ビル立体駐車場は1階が駅施設と貸店舗、2階から屋上までが330台収容の自走式駐車場になる。1階の店子はドラッグイレブン、福岡ひびき信用金庫の現金自動預け払い機、パン屋のトランドール、八幡駅観光案内所。残り2区画は2008年3月の開業だが、入居予定の店子は分からない。
駐車場の構造は連続傾床式と半階式(スキップ)の合いの子のようだ。床・天井は合成スラブで、手すりなどは錆止めに溶融亜鉛メッキ仕上げ。設備業者から買い付けたような安価仕様だ。壁を撫で撫で検分したところ、工事もやっつけ仕事だった。正面のよろい板(ルーバー)の化粧壁がなければ、見られた代物ではなかったろう。
化粧壁は「横のラインを強調した水平ルーバーと縦のラインを強調したガラスルーバーで構成し、全体のアクセントとして、駅コンコースの上部に位置する部分にガラスの水平ルーバーを配して多彩な表情を演出した」という。いぶし銀のよろい張りは工業都市に似合わしい。低予算を言い訳にしないという意志が伝わり、地元建築家のなせる業だと感心した。
2007年11月3日作成
©2010 ガゾーン 転載自由。著作権は関門通信またはその情報提供者に属します。
JR Yahata Railway Station Parking Bldg.