2008年11月20日作成
サンリブ朝日ヶ丘店 正面駐車場から ※クリックで全景
サンリブ朝日ヶ丘店 屋上駐車場へのスロープ(上り)から
屋上駐車場
3階の屋上駐車場玄関 表玄関に劣らない質感
2階 サンリブ衣料品売り場
1階 サンリブ食品売り場
1階 サンリブ レジ
サンリブ朝日ヶ丘店は、サンリブ(本社、北九州市)がダイエー朝日ヶ丘店の跡地に出店した総合スーパー。ダイエーは経営不振により老朽化した店舗を更新することなく撤退した。新店舗は第一交通産業(本社、北九州市)の商業施設開発事業の第一弾で、サンリブその他は店子として入居する。
単体の総合スーパーは百貨店と同じく構造不況業種だ。近年は食品スーパーへ転換したり、スーパーセンターへ転換したりと業態変更に忙しい。サンリブも総合スーパーは不振で、2005年開業のサンリブシティ小倉をもってショッピングセンター事業に参入した。しかし、この試みはまちづくり三法の改正により出鼻を挫かれた。
きょうび総合スーパーの新規出店は意外感があるが、「次」を睨んだ動きの先駆けと言える。日経新聞が法改正後の対応を尋ねたところ、各社は「1万㎡ぎりぎりの店舗を出店」(51%)、「既存店を強化」(42%)、「都市型小型店を展開」(26%)などと答えた。サンリブは第一交通産業と組んで、福間駅前にも総合スーパーを出店する計画だ。
サンリブ朝日ヶ丘店はサンリブの総合スーパーの新世代店舗だ。サンリブは今世紀初頭まで建物に無頓着だったが、サンリブシティ小倉(2005)で流行の極彩色建築を取り入れ、建物で差別化することの有効性に気づいた。総合スーパーでは老朽化により新築更新したサンリブ到津店(2007)からこの新路線を踏襲した。
到津店は外壁をベージュのストライプで処理し、前面に張り出す玄関部分を黄色いパネルとガラス張りで仕上げた。以前のモルタル塗りに比べればすっきり垢抜けたが、パネルの明るい色彩は素材の色ではなく着色によるもので、安っぽいパチンコ屋のようなハリボテ感があり、まだ試作品という印象が拭えなかった。
朝日ヶ丘店は到津店と造形や間取りは同じだが、外観では外壁のベージュのストライプを減らしてガラス張りを増やし、前面2階にテラスを設けた。到津店の雛型にスピナガーデン大手町(2007)を合成した感じだ。ガラスはそれ自体では質感の良し悪しに関わらないが、ガラスに面した部分の内装や照明を工夫することで上質に仕立てた。
朝日ヶ丘店は旧来の野暮ったい総合スーパーとは一線を画す建物だ。イオンショッピングセンターと異なり、組み込み駐車場と駐車場玄関も手抜きがなく、お客様を迎えるに相応しい構えだった。反面、敷地の造成は手抜きという印象を持った。きれいに均して植栽でもあればなおよかった。
店内の構成は1階がサンリブ食品売り場と、サンキュードラッグ、2階がサンリブ衣料品売り場と、書籍のクエスト、100円均一のダイソー、ゲームの遊遊パーク。総合スーパーの天敵であるカテゴリーキラー(特定分野の商品に特化して低価格で販売する小売店)を組み込んで、共存共栄を目指した。
食品売り場は高級路線で差別化したようだ。照明は窓からレジあたりまでが落ち着いた電球色、売り場は清潔感あふれる昼光色。サンリブシティ小倉で感じた照明計画の違和感は感じない。2階売り場は壁や柱まわりを除けば展示が全般に低めで、店内は見晴らしがよく余裕が感ぜられる。
サンリブの商品開発力の程は知らないが、店づくりでは旧態依然としたジャスコよりよほどいい。ただ、これで総合スーパーが息を吹き返すかと言えば疑問だ。少なくともわたしは、衣料品売り場で欲しいものを見つけても買わない。その方面の専門店へ行けば、よりよい品がより安価に買えるのではないかと思うからだ。
専門店優位の傾向は強まる一方だ。総合スーパーが百貨店の近郊版ならば、百貨店が海外有名ブランド店で店内を固めたように、総合スーパーは専門外に関してはカテゴリーキラーを組み合わせて売り場をつくればいい。サンリブはその方向へ歩み始めたが、傍流を他社に任せても、主流の衣料品を手放す踏ん切りはつかないようだ。
2008年11月20日作成
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