2008年06月07日更新
自動車の目: 幹線9号 木町~蒲生工区(2010年度供用分) 2008年6月
曽根鞘ヶ谷線改良工区 斜面の切除 2006年02月
木町工区(供用) 木町三丁目から大手町方面 2006年1月
熊谷工区 南丘市民センター前 2003年07月
蒲生工区 大興善寺前 2003年04月
幹線9号(都市計画道路9号線)は、大門木町線の終点となる木町一丁目交差点から国道3号、JR日豊線を横切り、篠崎から旧山田弾薬庫専用線に沿って南下し、県道51号曽根鞘ヶ谷線を経由、蒲生で県道63号長行田町線に合流して、国道322号長行交差点へいたる主要幹線道路。
幹線9号は既成市街地の新設道路としては延長が長く、大規模な新設区間があるのが特徴だ。木町工区(木町1―篠崎2)は2008年5月に暫定供用された。2010年までに供用されるのは、熊谷、曽根鞘ヶ谷線改良、蒲生工区で、これにより幹線9号が線として繋がる。事業費は250億円に及ぶ。
沿道の南小倉地区は小倉北区の秘境と呼ばれる。この地区は高度成長期に都市計画に先立って虫食い開発され、でたらめな市街地が形成された。安かろう悪かろう時代の一戸建てが多く、幅広の道路も存在しない。地位(ちぐらい)が低く、地価は都心から数十キロ離れた高須や朽網と変わらない。
幹線9号はこの秘境を中心市街地に組み込む役割がある。幹線9号の起点は都心居住区として抜群の人気を誇る大手町で、2010年供用区間の終点は北九州屈指の人気新興住宅地として知られた守恒だ。開発の波は南北から進行中で、幹線9号の供用はこの地区を覚醒させるきっかけになろう。
幹線9号は大門木町線の終点となる三叉の木町一丁目交差点を起点とする。木町工区はここから国道3号を横切り、JR日豊線と片野―清水間の主要幹線道路を新設の跨線橋で超えて、旧山田弾薬庫専用線と合流するまでの区間。平面道路部の拡幅は2004年7月に完成していたが、2008年5月に立体交差部以南も供用となり完工とあいなった。
木町周辺の幹線9号沿道は左右前後で賃貸・分譲マンションが建設中で、新都市の建設現場のようだ。かつて大手町と木町では地位(ちぐらい)に天地の落差があり、不動産業者は大手町の土地には飛びついても木町には手を出さなかった。いまでは大手町と木町の垣根はあまり意識されないようだ。
熊谷工区は篠崎二丁目交差点から旧山田弾薬庫専用線跡に沿って南下し、曽根鞘ヶ谷線に合流するまでの区間。全線が新設であり、用地買収約3万2000㎡、家屋補償約82戸で事業費約92億円と金がかかるが、費用対効果(B/C)は3.7と抜群によい。幹線9号はそもそもこの南小倉地区に道路を通すのが主たる目的なのだから当然とも言える。
気がかりは新設道路が小熊野川の西側を通ることだ。小熊野川は北九州市のホタル育成保護活動の発祥地であり、沿道には北九州市ほたる館が立地する。毎年6月にはホタル祭りも開催される。河岸に4車線の主要幹線道路が通って、ホタルに影響を与えないのか。両側歩道につく2mの緩衝植樹帯では不十分ではないか。
曽根鞘ヶ谷線改良工区は、鷲峰山と南丘の谷間を通り抜ける区間。大和食品工場あたりで曽根鞘ヶ谷線と幹線9号が合流して重複(重用)区間となり、数百メートル先の下蒲生バス停あたりでふたたび分岐する。道路を通すためには大規模に斜面を切除する必要があり、沿道ではもっとも大掛かりな工事だ。
曽根鞘ヶ谷線は都心部を迂回して小倉南区ー八幡東区間を移動する自動車が集中し、朝夕の渋滞が凄まじい上、この区間は歩道がなく歩行者や自転車には危険だった。幹線9号が通ることで歩行者の安全は確保できるが、曽根鞘ヶ谷線を移動する自動車にとっては現在の主の動線が従の動線(幹線9号に合流・分岐)に格下げされて、かえって不便になりそうだ。
幹線9号の蒲生工区以南は、終点まで長行田町線との重複区間になる。蒲生工区は下蒲生バス停先から鷲峰山(鷲峰公園)の東側斜面を削り取って大興善寺へ抜け、蒲生四丁目交差点あたりで既設の長行田町線に合流、蒲生八幡神社前までの区間。手前で紫川の虹山大橋を渡れば、モノレール守恒駅に出る。
四つの工区の中ではもっとも早い2007年度に供用の予定だったが、大興善寺の門前町は権利関係の特定が難しく、用地買収に時間を要した。2008年6月時点では用地買収がほぼ終了し、造成工事は佳境に入っている。この工区は計画交通量3万3200台/日と膨大で、国道322号と並ぶ大幹線に仕立てる。
以南は高野工区(蒲生八幡神社前―高野)が新規事業として予算成立した。2016年度の供用を目指す。高野交差点から終点の国道322号長行交差点までは未着手区間として残る。
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