ガゾーン関門都市圏

2009年6月21日更新

北九州市警察部/小倉北警察署

設計・施工
県警総務部施設課+日総建・西枝開発・河野設計業務共同企業体(設計)、竹中・森・安井特定建設工事共同企業体(施工)
竣工・規模等
2006年11月7日着工、2009年6月17日竣工、敷地面積6516.8㎡、事業費83.3億円 本庁舎=RC、地下1階 地上12階、高さ60m、延床面積1万6393㎡ 車庫=RC、地上5階、延床面積4832㎡
場所
北九州市小倉北区大門1-373-2(登記)
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本庁舎

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左が本庁舎、右が車庫 2棟は通路で結ばれる

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1963年竣工の現庁舎 新庁舎の建設地は手前右側のNHK北九州跡地

北九州市警

北九州市警は、福岡県警の北九州地区11警察署を統括する方面本部。正式には北九州市警察部という。市警察部(市警)は政令市に設置が認められるが、政令市はもっぱら県都であるため、市内にある警察本部(県警)が市警を兼務している。実際に実働部隊を有すのは全国で北九州市警だけだ。

もっとも北九州市警にしても看板は「福岡県警」、庁舎は「小倉北署」であり、市民でも市警の存在を知らない方が多い。北九州で福岡県警と言われても親しみを感じない。ご当地ナンバープレートのように看板は「北九州市警」にならないか。

道路拡幅で立ち退き

旧庁舎は新庁舎の小文字通り向かいにあり、1963年度に建設された北九州市警察部の庁舎と、1965年度に増築された小倉北警察署の庁舎からなる。建物は高度成長期の粗製濫造だから、老朽化と狭隘化がはなはだしい。ここに職員総勢473名(2005)を詰め込むのは無理があろう。

新庁舎の建設は北九州市が警察庁舎の敷地一部を道路用地(大門木町線の新勝山公園の区間)として収用し、立ち退きを要請することで実現した。財政難の福岡県は台帳上の残存価格が5億円あまりなのに移転補償費20億円あまりを北九州市から分捕り、警察庁舎を道路向かいに移転新築することを承認した。

新庁舎

福岡県はNHK北九州放送局跡地と、その北側にある小倉簡易裁判所跡地を国から購入し、両者をまとめたL字形の敷地6516.8㎡に新しい警察庁舎を建設した。

本庁舎は小文字通り沿いに立地する。内部は1~8階が小倉北警察署、9~11階が北九州市警察部、12階は武道場と80席の食堂(一般利用可)。写真を見ると屋上利用もありそうだ。現庁舎は延床面積約8200㎡だから、本庁舎の1万6393㎡は約2倍の規模がある。北側の大門木町線沿いに警察車両用の5階建て車庫も建設し、1階の一部に射撃場を設ける。工期が3年に及んだのは県の財政難のためだろう。

引用

本庁舎は分譲マンションよろしく南向きの板チョコ形だ。幅がないことから一般的な意匠であれば側面はベタ壁になりそうだが、小倉城側の側面をファサードに仕立て、胸壁に燦然と旭日章を掲げた。おそらく警視庁(1980)を念頭に考案をめぐらせたとみえる。小文字通りを太陽の橋方面からやってくる人や車は、前方の小高い場所に旭日章を掲げた塔のような建物を仰ぎ見る。

しかし警視庁のある三叉路と、北九州市警のある交差点では、同じ角地でも条件が違う。スカスカの空間に板のような建物は別の角度から眺めると間抜けだ。ある一点からの視覚効果を狙うあまり、本庁舎と車庫が一体的な建築計画になっていないのも問題だ。全体としては、本庁舎の建設後に隣接地を取得、車庫を適当に増築して、通路で繋いだような継ぎはぎな印象を受ける。

小文字通りと大門木町線は等しく目抜き通りなのだから、警察庁舎は5~6階建てのL字形として、車庫や射撃場は裏庭に回したほうがこの場所にふさわしかった。そのほうが大門木町線向かいの松本清張記念館(1998)とも合う。城内・大手町界隈は金をかけた建物が多いが、景観調和がいかにも軽んじられている。街区の景観統括者がいなければ、よい建物が建ってもよい街並みにはならない。

2007年10月1日作成、2009年6月12日更新

資料

参照記事(外部サイト)
新築工事に着手 - ポリスチャンネル
第54回国有財産九州地方審議会議事録(PDF) - 九州財務局
関連項目(ガゾーン内)
清張通り - 大門木町線。西小倉駅南口―厚生年金会館北の拡幅。
松本清張記念館 - 文豪の記念館。珪藻士を塗り込めた土壁。
(新)小倉地方合同庁舎 - 旧北九州市警/小倉北警察署跡地に建設。

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