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2008年10月5日更新

北九州市旧古河鉱業若松ビル

設計・施工
大林組
竣工・規模等
1918年竣工、2003-4年改修、煉瓦造、地上2階、延床面積約580㎡
場所
北九州市若松区本町1-11-18
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北九州市旧古河鉱業若松ビル 2006年11月

あらまし

旧古河礦業若松ビルは、古河礦業(現在の古河機械金属)が1918年に若松支店として建設した事務所。同社の沿革によれば、1894年に下山田炭鉱(嘉麻市)の経営に着手し、石炭部門へ進出した。 若松支店には言及がないが、下山田炭鉱の石炭積み出しに関わる業務拠点として開設したようだ。

1996年12月に空家になり、一時は解体も計画された。しかし地元市民らが保存運動を展開し、7400万円の寄付金を集めて市へ保存を働きかけた。2002年3月に北九州市が土地建物を5900万円で購入、2003年3月から3億9000万円を投じて改修し、2004年9月に地区公民館として開業させた。改修工事では鉄骨などで耐震補強した上で内外装を磨き上げた。

開館後の管理運営に当たっては指定管理者制度を導入し、上記の寄付金を集めた地元の自治会や婦人会、商店街連合会などで組織する任意団体「旧古河鉱業若松ビル管理運営委員会」が受託した。市の試算によれば、直営の場合に比べ経費の節減が図られ、指定管理者制度導入の効果が出ているという。

建造物

建物は煉瓦造の地上2階。若松南海岸通りから区画道路が鋭角に進入する場所に円筒を立てて中央玄関を設ける。上から見れば台形の建物で、中央玄関は下底の左角にあたる。円筒を中心に眺めると肩身の狭い印象があるが、南海岸通りと区画道路側の平面中央にも立派な玄関をしつらえ、端正な大正建築の顔立ちも併せ持つ。

旧古河礦業若松ビルは煉瓦造といってもモルタル塗りの部分が非常に多い。赤煉瓦が見えるのは柱型や円筒の側面だけで、一見するとモルタル洗い出しの鉄筋コンクリート造に装飾煉瓦をあしらったように見える。密集地仕様の建物であり、道路に面していない平面が素っ気ないモルタル塗りなのも煉瓦造に疑いを持たせた。

1~2階の窓を組にして垂直線を強調した処理は、近代の銀行支店建築と似通う。円筒や平面の玄関上にある円形の装飾彫刻は、古河礦業の社章かあるいはこの建物固有の紋章かと調べたが、なんの資料も出てこなかった。細部はルネサンス様式を基調とする。

2006年12月3日作成

資料

参照記事(外部サイト)
旧古河鉱業若松ビル
旧古河鉱業ビル - 福岡県建築士会
北九州市旧古河鉱業若松ビル - 指定管理者制度導入事例集
関連項目(ガゾーン内)
杤木ビル - 松田昌平設計。若戸大橋下にある現役の貸事務所。
上野ビル - 若松南海岸の近代建築。華麗な内装のお化け屋敷。
石炭会館 - 若松南海岸の近代建築。寄棟の木造でモルタル塗り。
旧麻生商店 - 若松南海岸の近代建築。兜のような面構え。撤去。
若松 - 動画付。若松地区の成り立ちと市街地の構成。

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