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2008年10月5日更新

上野ビル(上野海運)

設計・施工
保岡勝也(設計)、清水組(施工)
竣工・規模等
1913年竣工、煉瓦造、地上3階(増築後4階)
場所
北九州市若松区本町1-10-17
画像

上野ビル

あらまし

上野ビルは、1913年に三菱合資会社が若松支店として建設した事務所。本館に三菱の痕跡はないが、敷地左手に煉瓦造の倉庫があり、切妻破風に三菱の社章が刻まれる。

若松の表玄関となる市営若戸渡船の若松渡し場を出て左手に位置し、若松南海岸(若松バンド)へ足を踏み入れた来街者が最初に目の当たりにする。若松の近代建築でもっとも大きく、もっとも無骨で、もっとも華麗な建築物だ。

現在の所有者は船舶代理店などを営む上野海運。「テナント募集」の看板から分かるように現役の貸事務所であり、同社のほか地元の零細企業が事務所を構える。

建造物

三菱は明治維新に始まる近代日本と歩みを同じくして規模を拡大し、名門に恥じない豪華な支店を各地で建設した。若松支店も日本一の石炭積出港にふさわしい規模と内容を誇った。

竣工当時の建物は兜型の庇のついた玄関が1階の中央に位置し、正面右側の塔屋が目印だった。柱型の上端がアーチ状に伸び、その間には手摺があった。ドイツ煉瓦を建材としながらモルタルで塗り潰したのは当時の当世風で、後に戦災などを受けて修復したからではない。

胸壁を潰してコンクリートの4階を乗せ、同じくコンクリートで玄関を増築したのは三菱がこの地を去ってからだろう。現在の上野ビルはつぎはぎだらけでお化け屋敷のようだが、内部は2~3階に鋳鉄柱の吹き抜け空間を設け、天窓にステンドグラスをはめ込んだ華麗な姿を残す。

2006年11月26日作成

資料

参照記事(外部サイト)
建物実測調査 - 北九州コスモスクラブ
上野海運 - Yamada
関連項目(ガゾーン内)
杤木ビル - 松田昌平設計。若戸大橋下にある現役の貸事務所。
旧古河礦業若松ビル - 若松南海岸の近代建築。現在は公民館。
旧麻生商店 - 若松南海岸の近代建築。兜のような面構え。撤去。
石炭会館 - 若松南海岸の近代建築。寄棟の木造でモルタル塗り。

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