2005年07月24日更新
麻生酒造は、長崎街道・飯塚宿の西構口、大神宮跡にある酒造。清酒「神乃榮」の販売元。碑によれば、宝永3年(1706)にこの場所で「元大神」と刻まれた光る石が発見された。住民はこれを「大神石」と呼んで敬い、祠を建てて祭った。
大神石は明治42年(1909)に納祖八幡宮に移されたことから、祠の跡に井戸を掘り、その水で神に捧げる酒を造った。これが「神乃榮」という。生産量が少ないため、金を出せば買えるという代物ではないらしい。
建物は入母屋、白壁の日本家屋。下屋が二段あるのが目を引くが、下屋というよりは、寄棟の建物に入母屋の帽子を被せたような奇妙な構造だ。さらに密集地対応で東側に煉瓦の耐火壁を設けた。
煉瓦壁は旧岩田酒店(1921)と同じく隣家が空き地になって露出した。しかしこの壁は旧岩田酒店のそれのような火災への恐怖が感ぜられない。こんな背の低い一枚板では、隣の家が全焼して火柱を上げれば延焼は免れない。
煉瓦の耐火壁はこの年代の木造密集地ではさほどめずらしくなかったようだ。われわれの目には異様に映るが、当時の人にとっては煉瓦塀の大物くらいの感覚だったろう。煉瓦塀は田舎へ行けばいくらでも見つかる。煉瓦壁も古い住宅密集地をよくよく観察してみると、あちこちで見つかるのではないか。
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