2005年05月13日更新
黎明期の宇部は海岸を埋め立てて町を開いたことが災いし、地下水に乏しく、たやすく井戸水が枯渇してしばしば水不足に悩まされた。そこで、沖ノ山炭鉱(宇部興産の前身)が炭坑用の飲料水などを確保するために敷設したのが沖ノ山上水道である。
しかし宇部市にも上水道の敷設計画があり、沖ノ山炭鉱は上水道を確保して安んじたことから、2年後の1926年に上水道施設を宇部市へ委譲した。宇部市がこの施設を使って上水道の給水を開始したのは翌年だった。
桃山1号配水池監視廊は、配水池の貯水を管理するための施設(の入口)。厚東川の水を中山浄水場(後述)で浄化した後、ポンプで丘の上にある配水池に水を汲み上げ、自然流下を利用して上水道を市街地に給水した。簡単に言えば、建物の屋上にある高置水槽と同じ仕組み。桃山配水池は宇部の中心市街地からもっとも近い丘の上にある。
なお、宇部市は現在も浄水場から圧力をかけて直接給水する方式を取らず、配水池経由で水を下ろす方式のようだ。
施設は地上部に入口のついた監視廊があり、この部分が土木学会のCランク土木遺産および国登録文化財。外観は当時流行のゴシック様式で、四隅の柱の上を装飾し、陸屋根を被せた。入口部分の尖頭形アーチが印象的。1987年に新施設が供用を開始して役目を終えた。現在は静態保存される。
桃山配水計量室は、六角堂の名で親しまれる。実際は直径5.7mの八角形。竣工時は八角錐形の屋根があり、中世ヨーロッパの城の塔屋を象ったらしい。
市街地への給水量を計るための施設で、口径400mmの配水本管2本と、350mm配水本管1本を引き込んで計量した。屋根を2002年に復元。土木学会のCランク土木遺産。国登録文化財。
旧沖ノ山上水道関連では、この他に、中山浄水場濾過池(同年、RC、3池、同市中山吉ケ迫)、中山浄水場ポンプ室(同年、RC平屋、同市中山吉ケ迫)がある。水の流れは、濾過池→ポンプ室→配水池→配水計量室だから、宇部の上水道創成期の上水道施設一式が残っていることになる。
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The Watchtower and The Water Gauge Room in Momoyama Water Purification Plant of Ube Waterworks Bureau