2006年09月23日更新
渡辺翁記念会館
渡辺翁記念会館の玄関から渡辺翁記念公園
渡辺翁記念会館は、宇部の功労者である渡辺祐策(1864-1934)を記念した会館。
渡辺祐策は1897年に宇部興産の前身に当たる沖ノ山炭鉱を創業した大事業家だ。宇部でさまざまな事業を起こして宇部の都市としての基盤を築いた。宇部が旧産炭地にありながら筑豊や大牟田のように衰えないのは、渡辺が築いた企業群がいまも地場経済を支えているからだ。
渡辺翁記念会館は渡辺が関係した7事業各社が1937年に宇部市中心部の用地2万4714㎡に建設し、会館の周囲に渡辺翁記念公園を造成して丸ごと宇部市へ寄贈した。
渡辺翁記念会館は村野藤吾初期の傑作とされる。正面広場の階段に寄贈者の7社を記念した6本の柱と台座を配し、外部空間との象徴的な境を築く。その奥に緩やかな曲線を描く表裏が明快な建物を置く。
欧米に渡って見聞研究したのちの苦心の設計というが、全体は鳥居と神社を髣髴させる宗教的構成で、質素な素材と暗褐色の外壁の抑制感もあいまって気高さを感ずる。しかし村野はナチの思想に惹かれたともいう。
1353席の大ホールは音響効果がよく、世界のクラシック演奏の大家が演奏会場として好んだ。わが国の戦前の前衛建築としては最高傑作の一つ。2005年に「昭和初期の近代建築で意匠的に優秀」として、国重要文化財の指定を受けた。
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Watanabe Ô Memorial Hall