2009年6月21日更新
ゆめタウン北九州は、イズミ(本社、広島市)が計画する郊外型の大型複合商業施設。ゆめタウンは北九州市周辺の下関市、行橋市、宗像市などで市内最大級の大型ショッピングセンターを運営するが、北九州市内には店舗を構えていない。この計画が実現すれば、北九州市内初のゆめタウンになる。
予定地の敷地面積9万1826㎡は関門都市圏最大の郊外ショッピングセンター、イオンモール直方の敷地面積約8万8200㎡より広い。毛色の違うところでは、イオン岡垣の敷地面積約7万8847㎡があるが、イズミはスーパーセンター形態の店舗は運営しておらず、ショッピングセンターと考えるのが妥当だろう。
ゆめタウン北九州は現時点では具体的な施設概要を伴っておらず、構想に過ぎない。2008年秋のリーマン・ショック以降の景気悪化により、イズミがこの構想を推進する状況にはない。商圏内にはイオン若松、イオン八幡東、ショッパーズモールなかまなどの競合施設があり、景気悪化なくしても条件は非常に厳しい。
ここで皆が疑問に思うのは、まちづくり三法(都市計画法、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法)の改正により大型商業施設の郊外出店が規制されたはずなのに、なぜ北九州学術研究都市(以下、学研都市)のような万人が認めるところの郊外に超大型商業施設の出店計画があるのかということだろう。
改正都市計画法の施行により床面積が1万㎡以上の大型店については近隣商業、商業、準工業地域にしか立地できなくなった。準工業地域が混入したのは工場跡地を開発したい開発業者の要望が通ったからだが、多くの自治体が上乗せ規制を設けて準工業地域の活用を拒む。が、もっとも規制が必要な北九州市にはそれがない。
ゆめタウン北九州の予定地は工場跡地でもなんでもなく、里山を切り崩して整地した場所だ。しかしこの場所が準工業地域に指定されている。上乗せ規制のない北九州市内では、まちづくり三法の改正をもってしても抑制効果はなく、従前と同じように郊外ショッピングセンターの開発が可能だ。
一方、2000年の都市計画法改正において都道府県に策定が義務づけられた都市計画区域マスタープランの北九州都市計画は、2008年12月26日告示より「大規模集客施設の立地ビジョン」なる新機軸が盛り込まれた。街なか再生のため、広域拠点と拠点を設定して、大規模集客施設を誘導しようという考え方だ。
各種の都市機能が集積する場所が「拠点」、その中でより広域的で多様な都市機能が集積する場所が「広域拠点」。北九州市内の広域拠点は、門司港、門司(大里)、小倉、戸畑、若松、八幡・東田、黒崎、折尾、城野、下曽根。拠点は、小倉東インター(上葛原)、北方・守恒、永犬丸・三ヶ森、二島、学研都市。
総花式で全然誘導になっていないのは現状追認が旨なのだから仕方がない。つい先日出し抜けに商業団地化した小倉東インター地区がちゃっかり拠点に収まっているのには恐れ入った。注目点は、ゆめタウンが進出をたくらむ学研都市が広域拠点ではなく「拠点」と設定されたことだ。
学研都市の拠点範囲にゆめタウン北九州の予定地が入っているのは気に入らないが、拠点の範囲であるこの場所には「原則として床面積10,000㎡以下の商業施設等の大規模集客施設が立地できるものとし、用途地域、地区計画、特別用途地区等により、その実現を図る」(北九州都市計画 10頁)という方針が適用される。
この文面は前半「~立地できるものとし」までが福岡県の強制力のない基本計画(マスタープラン)、後半「~その実現を図る」は北九州市の実効力のある都市計画に委ねられる。北九州市はこの場所を準工業地域に指定し、かつ準工業地域の立地規制はしない方針であり、結論として郊外ショッピングセンター大歓迎ということだろう。
2009年6月21日作成
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Yume Town Kitakyûsyû (Shopping Center)