2008年10月7日更新
八幡市民会館 正面
北九州市立八幡市民会館は、1454席の大ホールと美術工芸館からなる旧八幡市の拠点会館。北九州に残る村野藤吾の作品としては最大規模を誇る。第1回建築業協会賞(BSC賞)の受賞作品。
建物は正面にホール背後(客席部分)の反り返った大壁面を押し出す。左手には高速道路のランプ風の車道があり、2階玄関へ誘う。右手は美術工芸館の羊羹形建物を配す。大時代風にいかめしいが、会館は客の出入りを一挙に捌く必要があり、人の流れに重大な関心を払って施設配置を決めた結果、こんな外観になったのだろう。
会館は車寄せを平面駐車場のある1階のほか、2階にも設けた。大ホールは舞台が奥、客席が手前にあり、玄関広間がホールの広間・休憩室を兼ねる。小さなホールではよくあることだが、大ホールでこれはめずらしい。客は1階か2階の玄関から入ると、すぐに階段室を上って客席に向かえる。
動線を分散させてそれぞれを最短距離で結ぶ手法はよさそうに見える。が、実際の出入り、特に退出は相当にたいへんだ。現実問題としてホールの催しはもっぱら有料で、人を一箇所に集める必要がある。人手もタダではない。あちらこちらから人が出入りすると開催者が困る。
この建物は動線が分散並列ゆえに一つ一つの動線は細い。実際の利用では動線が一本に絞られ、大渋滞を引き起こしている。玄関広間とホール広間を兼用にしたのは失敗だった。
大ホールは舞台前にオーケストラピットがある。歌劇場には必ずあるものだが、日本の地方の市民会館でこんな豪華なものに出くわすと面食らう。
雪の日に演奏会に出席したことがあるが、客が外套を着込んで震えながら聞いていたのを思い出す。1000人以上が一箇所に集まって2時間閉じこもっても暖かくならないのだから、よほど造り建てがよくないか、もうガタが来ているのだろう。
2005年5月30日作成
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