ガゾーン関門北九州圏

2007年09月30日更新

関門都市圏の本社屋

業種分類
全業種(関門都市圏に本社を置く上場企業、並びに非上場の有力企業)
操業等
場所
下関市、北九州市、田川市

非県都の企業構成

地方の地域経済は、県単位あるいは地方単位の許認可によって独占を獲得し、県都あるいは地方中枢都市に本拠地を置く公益企業が中心をなす。電力、ガス、銀行、電話、放送などの業種がこれに該当し、地方の財界を構成する企業群はどこでも金太郎飴だ。

しかし関門では地方の常識が当てはまらない。下関市と北九州市はいずれも非県都であり、主役になるはずの公益企業が存在しない。県単位経済の枠組みで中心性を否定され、自らの都市圏を束ねるどころか、わが身の権限さえ県都に撥ねられる。当然に企業も権限を持つ県都に靡いて、200万都市圏でありながら拠点性は皆無に等しい。

関門で力があるのは地元発祥の製造業者だ。近年は重厚長大産業の復権により過去最高業績を更新する企業が多い。かつて工場労働者が多かった土地柄、スーパーなどの流通業者に有力企業が多いのも特徴だ。この特集では関門都市圏に本社を置く有力企業の企業概要を、その本社屋と併せて紹介する。

企業一覧

株式会社 安川電機

安川財閥の主要企業。1915年の創業以来、電動力の応用に取り組み、自動制御の推進、メカトロニクスの創造、さらに産業用ロボットへと、この道一筋に歩んできた。近年は日本・韓国・台湾などで最終製品の差がなくなったが、各国の工場に納入される製造装置は安川電機などの日本製だ。安川の現在の売れ筋は変換器(インバーター)。産業用ロボットの「モートマン」は半導体産業で評価が高い。

東証一部。電気機器。売上高3689億円(2007)。本社所在地は、北九州市八幡西区黒崎城石2-1。

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本社屋はアントニン・レーモンドの設計。本社工場の入り口にある。もともとは凹んだ部分にある玄関を中心に左右対称の建物だが、黒崎バイパスの予定地にかかるということで、近ごろ左翼の外側がさっくり切り取られた。詳しくは土木建築の安川電機本社を参照せよ。(2007-09-23)

株式会社 テムザック

ロボットベンチャーとして全世界に話題を振り撒く。ロボットはベルトコンベア製造業者のテムス(本社、北九州市)三代目社長の道楽として始まった。2000年に独立。資本金10億5404万円、従業員30名(2007)。資本金が大きいのは国内外から投資資金が集まったため。

非上場。本社所在地は、北九州市小倉北区木町1-7-8。

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本社屋は写真中央の銀色の建物。国道3号沿いにあるが、こじんまりしてまったく気づかない。マスコミにちやほやされるからといって、浮ついていないのは好感が持てる。(2007-09-23)

株式会社 高田工業所

鉄鋼・化学関連の中堅プラント建設会社。1930年に高田組として創業。国内では首都圏以西の工業地域で事業展開する。国外ではシンガポール、インドネシア、マレーシアに拠点を持つ。企業規模は大きくないが、前会長の高田賢一郎が北九州商工会議所会頭を務めるなど、地元では名門企業の一つと見做される。平成不況の二番底で苦境に陥り、2003年に改正産業活力再生特別措置法の適用を受けた。その後は景況の好転を受けて業績が回復した。

大証二部。建設業。売上高465億円(2007)。本社所在地は、北九州市八幡西区築地町1-1。

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高田工業所は建設屋だけあって本社屋は立派ななりだ。もっともプラント工事だから工業地帯の一角にあり、一般市民の目には触れない。(2007-09-25)

小野建 株式会社

社名は創業者の氏名。鋼材・建設機材の専門商社。輸入鋼材取り扱い大手。1949年にセメント、金物、土木建築資材の販売を目的に設立。1958年に小倉支店を開設して鉄鋼製品の販売を本格化させ、1991年に本社機能を大分から北九州へ移した。近年は中国を中心とするアジアでの鉄鋼需要増や、ダイハツ、東芝、キヤノンの工場建設により業績が拡大。2003年11月に東証二部上場。2005年3月に東証一部上場。

東証一部。卸売業。売上高1327億円(2007)。本社は大分市。管理統括本部は、北九州市小倉北区西港町12-1。

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名実の名だけを北九州に残して東京へ移転した企業は多いが、名実の実が北九州にある企業はめずらしい。しかし北九州と大分は企業の相互移動が多く、新日鐵のように北九州から大分へ移った企業もあれば、ゼンリンや小野建のように大分から北九州へ移った企業もある。ただ、小野建には最近不穏な動きがあり、実質本社が北九州から出てゆくのではないかと危惧している。

その実質本社は西港の倉庫街にある平屋。都心部にある中型業務ビルの2階から上を切り取ったような形だ。トタンの安普請に囲まれているせいか、存在感がある。(2007-09-24)

株式会社 丸和

九州・西中国で店舗展開するスーパーマーケット。1946年に小倉合同物産の名称で食料品店を創業。1956年に日本で最初にセルフサービス方式を導入してスーパーマーケットを世に知らしめ、1979年に日本で最初に24時間営業を実現させるなど、流通業界の開拓者として歩んできた。2005年1月に広島地盤のスーパー ユアーズが発行済み株式の40.91%を握り、同社の経営傘下へ。ユアーズと丸和は最終的には経営統合を目指す。

地方上場。小売業。売上高364億円。本社所在地は、北九州市小倉北区大手町10-10。

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本社屋は大手町の奥まった街区にある。東西南北の全方向が道路で、西側は勝山公園。建物と環境はよいが、ビジネスの立地としてはどうか。リストラの一環で売却する予定だが、買い手が現れるかは疑問だ。(2007-09-27)

株式会社 タカミヤ

釣具・アウトドア用品の小売りチェーン。1949年、創業者・高宮義諦の趣味が高じて釣具店を創業。しばらくは卸業・外交販売を行い、1968年に量販小売業への参入。ダイエーの釣具コーナーで力をつけ、1974年にダイエーから撤退、直営店「ポイント」を開業した。1989年(平成元年)にアウトドア専門店「ペグ」を加えて現在に至る。1992年に社名は「高宮諦商店」から「タカミヤ」へ。

非上場。売上高145億円(2006)。本社は北九州市八幡東区前田企業団地1-1。

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タカミヤの本社はかつて八幡駅前の一等地にあったが、2003年に前田企業団地の物流センターに引っ越した。釣りが流行らなくなって売り上げが伸びなくなり、物流部門と営業・管理部門の統合して効率化する狙いがあった。物流センターに本社が居候というのがいかにも北九州だ。北九州企業は現場天下だから、本社は肩身の狭いものが多い。(2007-09-27)

株式会社 山口フィナンシャルグループ

山口県と北九州市を地盤とする山口銀行と、広島県を地盤とするもみじ銀行の持株会社。地銀グループとしては全国5位の規模を誇る。山口銀行は第百十国立銀行が前身の地方銀行。1878年に山口市で創業し、1880年に下関市へ移転。2006年10月に不良債権処理で行き詰まったもみじを救済合併し、持株会社の下に二行がぶら下がる現体制へ移行した。なお、福田浩一社長は関門連携委員会委員長。関門特別市の旗振り役だ。

東証一部。銀行業。売上高1380億円、総資産7兆3602億円(2007)。本社所在地は、下関市竹崎町4-2-36。

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グループ本社は山口銀行本店に置く。この社屋はわが国では最初期のカーテンウォール建築とされ、竣工した1965年に日本建築学会賞を受賞した。全国の話題をさらった最先端の建築だった。詳しくは土木建築の山口銀行本店を参照せよ。(2007-09-27)

福岡ひびき信用金庫

2001年11月に北九州八幡信金と若松信金の合併により成立した信金。信金名は北九州の愛称として定着しつつある「ひびき」を取って「ひびき信用金庫」にする予定だったが、サントリーに同名の高級ウイスキーがあり、協議の結果「福岡」を被せた。2003年10月に直方信金、新北九州信金、門司信金、築上信金が大同合流。信金としては九州・西中国で最大規模。

非上場。預金額5788億円(2006)。本店所在地は、北九州市八幡東区尾倉2-8-1。

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本店の社屋は村野藤吾の設計。村野は佐賀県唐津で生まれ、北九州・八幡で育った。小倉工業高校機械科を卒業後、八幡製鐵に入社、20代後半にして転機が訪れ建築家になった人だ。作品の渡辺翁記念会館は国重要文化財に指定される。ひびき本店はドイツバロック風。詳細は土木建築の福岡ひびき信用金庫本店を参照せよ。(2007-09-27)

田川信用金庫

前身は1948年発足の田川市伊田信用組合。現在は伊田の本店のほか、田川市郡と行橋市に八つの支店を有す。関門都市圏の信金はひびき信金と西中国信金の二大勢力に大同合流して、残ったのは田川信金と遠賀信金だけだ。田川信金は規模が小さすぎて単独での生き残りは難しいが、合併するという話は聞かない。

非上場。預金額524億円(2006)。本店所在地は、田川市大字伊田3557-8。

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本店の社屋は1980年竣工。正面のみを帳壁(カーテンウォール)で処理するのは、側面を気にしなくてよい密集地対応の外観処理だ。田川伊田駅前ならこれでよかろうが、田園地帯にあってはどうか。ただ、あまりに場違いだから、非常に目立つ。(2007-09-28)

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この特集は手持ちの写真を有効利用しようという単純な動機で組んだ。今後、未掲載企業の本社屋の撮影機会があれば順次追加したい。

関連情報

参照記事(他サイト)
各企業の公式ホームページほか
関連項目(ガゾーン内)
地場有力企業 - 索引

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