2024年05月21日更新
千財藤園入口 右手に休憩デッキ 2018年4月22日
斜めに展開する大藤棚はめずらしい 2018年4月22日
大藤棚の一番奥 さまざまな品種が雑に混在 2023年4月22日
舞鶴城の藤 坂の下から藤棚を見上げる 2018年4月22日
茶畑を望むテラス 藤棚の庇が伸びる 2018年4月22日
バラのハート 2024年5月11日
バラの小道 2024年5月11日
千財農園案内図
千財農園は、宇佐市近郊の四日市地区の小倉池南側に広がる会社経営の農園。広さ4ヘクタール(1万2120坪)。茶畑と製茶工場、みかん畑のほか、行楽客向けの藤園とバラ園がある。
藤園は新茶を買いに来た方をもてなすために新茶の季節に見ごろを迎える藤を植えたのが始まりで、現在は造成した斜面地の2400坪に大藤棚が広がる。斜めに展開する大藤棚はあまり類を見ない。千財氏が全国から集めた藤の苗は、野田長藤、白藤、白紅藤、八重黒龍などの約250本。見ごろは例年4月下旬の1週間前後。
私設の藤園で客寄せの大藤もなく全国的には知られていないが、単体の藤棚としてはおそらく日本最大級とみられる。これ以上の規模はネットで検索しても見つからない。ちなみに河内藤園の大藤棚は約1000坪。全国的に有名な天王川公園の大藤棚は約1500坪。
圧倒的な規模の反面、営利目的の観光藤園ほどには剪定が行き届かず、園芸的な完成度を期待するとがっかりするかもしれない。千財藤園を一言でいえば野趣に富む。多種多様な藤が複雑に絡み合い、無造作に生い茂る。野生の藤が群生したらたぶんこんな感じだろう。
園内は散策路がぐるりと1周する。舗装されて歩きやすいが、女性でも身を屈めなければ歩けないほど藤棚の位置が低い。観光藤園にありがちな堅いガードはなく、間近で藤の木を観察できるのがいい。至るところに長椅子が設置され、腰かけて風にそよぐ藤の花を見上げることができる。満開時は桜祭りのような花見会場となり、家族連れが藤の木の下にシートを敷いて持ち込みの弁当などを食べる姿が見られる。
入園料は無料。駐車場も無料。無料ゆえに人の流れを調整できず、満開時の休日は駐車場に入るにも一苦労、園内も大混雑で人込みに揉まれる。ただ、早起きな地元客が大半を占め、日が傾くと客足が引くのも早い。16時にもなれば満開時でも閑散として、今日は早じまいかと不安になる。
藤園入口の売店では新茶や抹茶アイスなどその場で飲食するもののほか、茶葉やデコポンなどの農産物を販売する。弁当類はない。新茶と饅頭でも買って、茶畑を望む休憩デッキでくつろげば幸せな気分になれる。
茶畑を挟んで相対する千財バラ園は2016年の開園。藤の季節以外は所在なげな大駐車場の有効活用策として開設を思い立ったという。入園料は見ごろが400円、時期外れは100円。1500坪の園内に100種2500本のバラが咲き乱れる。藤が枯れた後の5月中旬ごろと秋の10月上旬ごろに見ごろを迎える。
2018年4月7日作成
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Senzai Nôen Senzai Huzien (Senzai Farm Wisteria Garden or Fuji Garden)