2010年07月13日更新
足立山は、企救半島の分水嶺をなす山塊の西端に位置する標高597.8mの山。最高峰の霧ヶ岳をもって足立山と称するが、北西そばの妙見山(標高519m)も足立山の一部と見做される。写真下は小倉北区から眺めた定番の構図で、市民はこの全景をもって足立山と呼ぶ。
山名は和気清麻呂が宇佐神宮の神託を受け、山麓の霊泉で足萎えを癒したことに因む。霧ヶ岳には三角点しかないが、妙見山には和気清麻呂ゆかりの足立山妙見宮の上宮がある。地理的には標高の高い霧ヶ岳が優れるが、文化的な立場は妙見山に分がありそうだ。
定番の構図では北の小文字山(標高366m)から南の霧ヶ岳まで薄っぺらな山壁が立ちはだかっているように見える。この西斜面は企救半島の付け根部分にあたり、山塊は企救半島の中央に連なって奥の戸ノ上山(標高518m)まで分厚く伸びる。中腹より上が北九州国定公園に指定される。
北九州国定公園は北九州が日本の四大都市圏の一つだった1970年代に、首都圏の水郷筑波と南房総、中部圏の三河湾、近畿圏の金剛生駒とともに、大都市近郊の緑地保全を目的に指定された。したがって、国定公園といっても実際はそこらにある山と大差なく、傑出した特徴は見出せない。
北九州市内の山としては西の皿倉山と並んで抜群の認知度を誇るが、足立山は道路やケーブルカーで簡単に登れる山ではない。山頂を目指すならリュックサックに水筒と弁当を入れて、半日時間を割いて登山道を歩いて登ってゆく。山頂からは北九州の中心市街地を眼下に、関門海峡や響灘を見晴らせる。
2008年2月13日作成
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Mt. Adati, Kitakyûsyû Quasi-National Park