ガゾーン関門都市圏

2025年10月26日更新

副首都構想で関門特別市を実現する

自民・維新の連立政権成立より副首都構想が注目を集めている。維新の会が掲げる副首都の要件は、①道府県と政令指定都市との二重行政が解消されていること。②人口や都市機能が集積し、経済活動が活発であること。③東京圏で大規模な災害が発生した際に、それに重ねて被災する恐れが少ないこと。

北九州市は2023年に「バックアップ首都構想」を策定して実現を目指してきたが、副首都構想の急浮上を受けて2025年10月24日に武内市長が「北九州こそが適任地」と名乗りを上げた。以下、副首都構想を大義として関門特別市が実現できるかをチャットGPT5に尋ねた。掲載したのは核心部分だけで、最初の質問以前にもやりとりがある。なお、GPTは世辞を言うのでその部分は省いた。

考察

そもそも副首都と関門特別市になんの関連性があるのか。副首都の要件は関門特別市の創設によって満たされる。現状の北九州市では要件を満たせない。

質問者

北九州市と下関市は関門特別市の創設を目指しているが、山口県知事は明確に反対を表明している。福岡県知事も賛成はしていない。このような状況下で通常の合併を目指しても県の合意が得られない。そこで、越境合併の手法を使って合併し、どちらかの県に帰属を変更することは法的に可能か。

GPT5

結論を先に言うと:

北九州市と下関市が越境合併し、どちらかの県に属する単一の市(例:関門市)になることは、法理上は「完全に不可能」ではありません。

しかし、極めて厳格な条件のもとでしか認められず、現実的にはほぼ不可能に近い、というのが正確な答えです。

以下、順を追って説明します。

🔹 1. 法律上の枠組み(地方自治法第6条・第7条)

第6条第2項

市町村の設置・廃止・境界の変更が都道府県の境界にわたる場合には、都道府県の境界も、また、自ら変更するものとする。

これは結果の規定(整合性確保)であり、実際の手続きは第7条に従います。

第7条(市町村の設置等の手続)

  • 市町村の設置・廃止・境界変更を行うには、
    総務大臣(越県の場合)または都道府県知事(同一県内の場合)の告示によって行う。
  • 総務大臣が決定する場合、
    関係都道府県知事及び関係市町村の意見を聴かなければならない(=同意は不要)。

👉 つまり:

  • 国(総務大臣)が最終的に公益上必要と認めれば、県が反対していても法理上は越境合併が可能。

🔹 2. 北九州市+下関市の場合の法理的可能性

理論上のプロセスを整理すると:

  1. 北九州市と下関市の双方が合併協議を行い、合併協定書を議決。
  2. 総務大臣に越県合併の申請を提出。
  3. 総務大臣が両県の意見を聴取(同意不要)。
  4. 総務大臣が「公益上必要」と判断すれば告示により合併成立。

その結果、「都道府県境も自ら変更」される(=どちらか一方の県に属する形に)。

したがって:

法理的には、県が反対しても合併そのものは可能。

🔹 3. しかし、実際には「ほぼ不可能」に近い理由

  1. 「公益上必要」のハードルが極めて高い
    • 総務大臣が越県合併を認めるには、「公益上特に必要」であると判断しなければなりません(地方自治法第7条4項)。
    • 単に「都市圏として一体」や「経済的に合理的」程度では足りず、国益・広域行政上の明確な必要性が必要です。
  2. 政治的に国が介入しにくい
    • 県の一方が強く反対している場合、国が県の領域変更を強行することは極めて政治的に困難。
    • 山口村の事例(編注 岐阜県中津川市と長野県山口村の越県合併のこと)は村レベル・人口2000人程度の小規模事例だったからこそ例外的にできた。
    • 北九州市・下関市のような政令指定都市級の合併は、県の財政・議席配分・地方交付税などへの影響が極大で、国が「公益上必要」と断定するのは現実的にほぼ不可能。
  3. 政令指定都市制度との整合性
    • 北九州市はすでに政令指定都市であり、下関市を加えると県境をまたぐ巨大自治体になります。
    • 現行法上、政令指定都市は1つの都道府県内にしか存在しえない設計になっており、
      「越県政令指定都市」は法体系全体が想定していません。

🔹 4. 現在の「関門特別市」構想との関係

「関門特別市」構想は、まさにこの法的制約を踏まえて:

「越県合併(行政統合)」ではなく、「連携中枢都市圏」「広域連携団体」「特例市制度(仮称)」のような“上位自治体による共同行政”モデルとして検討されています。

つまり:

  • 法的合併ではなく、“越県連携による特別自治体”を新設する方向です。
  • これは地方自治法上の合併ではないため、県境は動かず、県の同意も不要。

🔹 5. まとめ:法理上と現実上の差

観点 内容
法理上 県の同意がなくても、国が公益上必要と認めれば越県合併は可能(地方自治法第7条)。
実務上 「公益上特に必要」と認められる事例は極めて限定的(山口村の事例が唯一の実例)。
関門特別市構想 法的合併ではなく、「特別自治体・広域連携」方式として議論中。
結論 北九州+下関の法的合併は理論上は可能だが、現実的には成立困難。

質問者

「関門特別市構想」をめぐる現在の法制度(2020年代以降の総務省方針・自治体研究会議)について要点をまとめてほしい。

GPT5

要点まとめ(短めに)

  1. 現行ルール — 「越県合併は法理上は可能だが高いハードル」
    • 地方自治法上、越県合併は関係都道府県の「同意」ではなく「意見聴取」へと改められ、最終的には総務大臣が判断できる余地がある(※ただし「公益上特に必要」と認められることが前提)。このため「県が反対しても法的に絶対不可能ではない」が、実務上のハードルは極めて高い。山口村=中津川の事例が示したように、かつては特例法で対応したケースもある。
  2. 総務省・地制度審議での主流的視点(2020年代以降)
    • 総務省系の研究会や地方制度調査会は、「特別市」や「特別自治市」などの大都市制度の再整備と、都道府県と市町村の権限分配の見直しを継続して議論している。これらの議論は、(A)特別市へ権限移譲して広域課題へ対応する案、(B)都県を跨ぐ広域連携・連携中枢都市圏やモデル事業による段階的な連携強化、の二本立てで進められることが多い。
  3. 「特別市」制度(提案段階)とその位置づけ
    • 「特別市(または特別自治市)」は、政令指定都市よりも広域的な権限移譲を想定する制度案の一つで、道府県との権限分担や共同実施の設計が課題。制度化には国の立法(地方自治法改正等)が必要で、現時点で全国適用の法律化はされていない。地方制度調査会や自治体の提言レポートで具体的設計が検討されている段階である。
  4. 「広域連携モデル」「連携中枢都市圏」など実務的手段が優先されている
    • 総務省は「新たな広域連携モデル構築事業」や「連携中枢都市圏」等の枠組みで、都県をまたぐ行政連携のモデル事業・財政支援を進めている。関門地域(下関・北九州)はこうしたモデル事業の対象にもなっており、まずは合併ではなく法的に複雑な県境変更を伴わない連携強化を進めるのが現実的路線と見なされている。
  5. 関門(北九州+下関)に特有の課題
    • 両市は既に広域連携を積極的に行っているが、(A)両県知事の立場(山口県は反対の意思表明)や(B)政令指定都市である北九州市の特殊性、(C)都道府県財政・議会・警察・教育など広範な制度調整の必要性により、越県合併で県帰属を変えることは法理上可能でも「現実的には困難」なまま。法制度側も「合併で県境を変える」よりは、特別制度や広域連携で解決する方向を模索している。

制度的に取りうる選択肢(短い一覧)

  1. 越県合併(地方自治法の手続)
    • 法的には総務大臣の判断で可能だが「公益上特に必要」など高い要件と強い政治的抵抗がある。例外的運用や特例法が現実策として必要になることもあり得る。
  2. 特別市・特別自治市といった新制度の導入(立法)
    • 都道府県との権限分担を再設計して「越県的都市機能」を制度化する方法。ただし全国的な法改正が要るため時間がかかる。
  3. 広域連携モデル(連携中枢、協議会、共同事務等)→ 実務的で現実的
    • 県境を動かさずに連携・共同事務を拡大する。総務省のモデル事業や交付金・法定外の協約で対応できる点が多い。関門はこの路線を重点的に進めている。
  4. 個別特例法(国会での立法)
    • 山口村→中津川の際のように、特定ケースだけを対象にした特例法で解決する方法。政治力学次第。

結論(短く)

  • 総務省・関連研究会は「合併で県境を動かすこと」よりも、まずは実効的な広域連携や(将来的な)特別市制度の制度設計で関門地域の課題を解くことを主流に議論している。
  • したがって、現在の法制度・政策動向から見ると、関門特別市を実現する最も現実的なルートは「(A)広域連携の強化+(B)将来に向けた制度(特別市等)の段階的整備」であり、越県合併による単純な県帰属の変更は法理上は可能でも政治的・実務的に非常に難しい、というのが妥当なまとめです。

質問者

関門特別市の創設がほぼ不可能なのは国の制度設計を大きく変更するだけの大義がないからだろう。このほど「副首都構想」なるものが提唱されて、副首都の要件として「道府県と政令指定都市の二重行政が解消されている」が挙げられた。北九州市は非県都の政令市で二重行政の弊害が薄く、よく要件を満たしているが、それでも福岡県の下位自治体であるため二重行政が完全に解消されているとは言い難い。

県から離脱して特別市を創設するのは国→特別市のシンプルな行政構造への変革であり、多重行政解消のモデルケースになりうる。副首都構想は特別市を創設するための大義(実際は口実にすぎないが)になりうるか。

GPT5

「副首都構想」が“特別市”創設の政治的・制度的な大義(あるいは口実)になり得るという見方は、実際に制度設計の論理構造から見ても筋が通っています。

以下、政治・法制・行政制度の3つの観点から整理して分析します。

🔹 1. 問題の背景:国の制度構造と「大義の欠如」

関門特別市構想が頓挫・停滞した最大の理由は、あなたが指摘した通り、国全体の制度設計を動かすだけの「大義」が欠けていたことです。

  • 山口村の事例のような「地域の生活圏一体性」という個別合理性はあっても、
  • 「なぜ全国制度として都道府県を超える都市を認めるのか」という制度的合理性(全国的意義)が乏しかった。

つまり、

「県境を越える自治体を1つ作る必然性はあるか?」
という問いに対し、「地元が便利になる」以上の答えが出せなかった、ということです。

🔹 2. 副首都構想がもたらす「制度的大義」

  1. 副首都構想の趣旨
    副首都(第二の中枢都市圏)構想は、主に次のような狙いを持っています。
    • 東京一極集中の是正
    • 国家危機管理(災害・首都直下地震・機能分散)
    • 政治・経済・行政中枢機能のバックアップ拠点形成
    このときに、副首都の要件として言われるのが:
    「道府県と政令指定都市の二重行政の解消」「迅速な意思決定」「広域調整能力」
  2. 北九州市の特性
    あなたの指摘の通り、北九州市は:
    • 政令指定都市ではあるが県都ではない(=福岡県庁は福岡市)
    • 県域行政との重複が比較的少ない(県との分業が進んでいる)
    • 工業・港湾・物流など国家インフラ型の都市機能を多く有している
    したがって、
    「県との二重行政が薄い政令市が、国と直接結ぶ特別市へ移行し、単層制の都市として副首都機能を担う」 という構想は、確かに制度設計上、理屈が立つのです。

🔹 3. 「特別市」を副首都構想の口実に使う理屈の筋

法制度的に見れば、副首都構想 ≒ 特別市構想に“国家的公益”という名目を与える仕掛けになり得ます。

観点 特別市構想(従来) 副首都構想との融合による変化
制度的目的 二重行政解消・都市自治の自立 国家機能分散・危機対応・首都代替
大義(政治的正当性) 地方行政の効率化 国家安全保障・国土構造の最適化
推進主体 自治体・総務省 国全体・内閣主導(国家的課題)
制度導入の実現可能性 低い(地方間調整難) 上昇(国策レベルに格上げ)

🔹 4. 実際の制度論上の展開可能性

副首都構想が「特別市制度創設」の口実になり得るのは、次の条件を満たす場合です。

  1. 副首都が単なる都市ブランドではなく、国家行政機能の一部を担う制度的位置づけを持つ
    • (例)防災拠点、行政バックアップ機能、データセンター、広域危機管理庁舎など。
  2. その実施のためには、地方自治体が国と直接に連携する必要がある
    • 都道府県を介さず、国と直接関係を持つ体制が合理的と説明できる。
  3. 法的に「特別市」や「国家戦略都市」として制度化する法改正が可能
    • 地方自治法の「特別区」「政令指定都市」に続く新しい“単層都市”カテゴリーの導入。

🔹 5. 北九州市・関門地域が持つ理論的優位性

要素 評価
二重行政の少なさ ◎(県都でないため干渉が少ない)
国家的機能 ◎(港湾・工業・交通の集積)
広域性(関門圏) ○(山口側を含む広域生活圏)
政治的合意形成 △(山口県・福岡県の反発あり)
国の政策整合性 ○(国土構造分散・副首都論と整合)

このため、「副首都」を旗印にした場合、北九州市は

“実験的な単層自治体(特別市)”として法制度改正の先行モデルになり得る という理屈を立てやすい位置にあります。

🔹 6. リスクと現実的障害

ただし、「副首都」を口実にしても、実現のハードルは依然として高いです。

  • 都道府県制度そのものの根幹に関わるため、総務省が簡単に承認できない。
  • 他都市(大阪市・名古屋市・横浜市等)とのバランス問題。
  • 「特別市」制度を全国制度として整備する必要があるため、個別立法では済まない。
  • 「副首都」の選定が政治的問題化するリスク(東京・大阪・名古屋との綱引き)。

🔹 7. 結論

あなたの見解は、制度設計論として非常に的確です。

  • 「特別市」単体では地方行政の効率化にとどまり、“国家的必然性”を欠く。
  • 「副首都構想」を重ねることで、制度改正に必要な国家的・政治的“大義”が付与される。
  • その結果、「国→特別市」という単層行政モデルを創設する口実として十分に成立する。

したがって、

副首都構想は、特別市創設(=県からの離脱)を推進するための、最も有効な政治的・制度的レトリックになり得る。

現時点では「口実」であっても、国家機能分散の政策軸が明確化すれば、それが「正当な大義」に転化し得る、というのが制度論上の結論です。

ご希望があれば、「特別市」制度を法文化するための地方自治法改正条文案(第252条の23〜)の試案を作れます。

質問者

とても興味深い。まずは詳細ではなく要約してもらえるか。

GPT5

🏛 地方自治法改正案(要約):「特別市」制度新設(第252条の23〜)

第252条の23(特別市の設置)

  • 国は、特に重要な国家的機能を担う都市について、**都道府県の区域を越え、または都道府県の下に属さない「特別市」**を設置できる。
  • 特別市の設置は、関係市町村の申請に基づき、国会の議決を経て政令で定める。

👉 →設置根拠と設立手続(政令指定都市に類似だが、都道府県を超える権限を明記)

第252条の24(特別市の権限)

  • 特別市は、都道府県の権限および市町村の権限を併せて行う。
  • 特別市の権限は、政令で定める限りにおいて、国の事務の一部を委任されることができる。

👉 →「単層自治体」+「国直轄的任務」の明文化。

第252条の25(国との関係)

  • 特別市は、国と直接協議する権限を有する。
  • 国は、特別市に対し、必要な助言、勧告、または協定に基づく支援を行うことができる。
  • 特別市は、国家的緊急時において、副首都その他の国政機能代替を行うことができる。

👉 →「副首都機能」や「国直轄連携」の法的根拠を設ける。

第252条の26(特別市議会および長)

  • 特別市には、特別市議会および特別市長を置く。
  • 議会・長の権限・任期は政令指定都市に準じる。
  • 特別市は、区を設置し、区長を置くことができる。

👉 →内部制度(議会・行政区)を政令市準拠で整理。

第252条の27(財政および税)

  • 特別市は、地方税法において特別市税を賦課徴収することができる。
  • 国は、特別市に対し、直接に地方交付税を交付する。
  • 特別市の財政調整は、国が特別会計を設けて行うことができる。

👉 →「都道府県を介さない財政制度」の法的根拠。

第252条の28(特別市設置の特例)

  • 特別市の設置に際しては、関係都道府県の意見を聴くものとするが、同意を要しない。
  • 関係都道府県の境界は、特別市の設置に伴い、自ら変更されたものとみなす。

👉 → 山口村越境合併の教訓を踏まえ、県の同意を要しない構造を明記。

第252条の29(廃止・変更)

  • 特別市を廃止または区域を変更するには、国会の議決を経て政令で定める。
  • 特別市の廃止に際しては、関係都道府県および関係市町村の意見を聴取する。

👉 →「設置は国策、運用は自治体」が基本の構造。

🧭 要点まとめ

項目 方向性
制度的位置づけ 地方自治法上の「第三の都市類型」(政令市・特別区に次ぐ)
行政構造 都道府県を介さない「単層自治体」
権限範囲 県+市の全権限+一部国権限(危機管理・国策協力)
財政制度 国直轄交付・独立課税
境界変更 都道府県の同意を要せず、設置時に自動的に変更
政治的根拠 副首都・国家機能分散・広域行政合理化

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