2009年1月7日更新
浮殿神社 鳥居
浮殿神社 拝殿
浮殿神社 弊殿と本殿
石塚山古墳 後円墳の頂
案内板
石塚山古墳は、九州最大・最古級の定型化した典型的な畿内型の前方後円墳。解説は上の案内板を参照せよ。場所は苅田町役場の南隣にある小さな丘で、木々が生い茂る。一見すると都市公園にしか見えない。苅田町にはここ石塚山古墳のほか、御所山古墳というのもある。
苅田町役場前の道路から前方後円墳の前方部分を上る石段を軽く駆け上ると、浮殿神社の拝殿が構える。建物は素朴な神明造で、千木と堅魚木を屋根に飾る。堅魚木が奇数だから男神を祭っていることが分かるが、具体的にどの神なのかは分からなかった。立地は古墳の前方部分の平らな場所にあたる。
拝殿の裏には幣殿があり、幣殿とその奥の本殿は小さな石の太鼓橋を介してつながる。神社としては教科書をなぞったような基本形式だ。拝殿も幣殿も空き家であり、本殿の脇には小さな祠があった。おそらくこの祠が神社の本体で、これから新しい建物へ引っ越すのだろう。
由緒書はどこにも見当たらなかった。石碑はいくつもあったが、寄進者の名や事業の内容を刻んだものだった。ちなみに「浮殿」とは浮いて見える神社の意。かつてこのあたりに海岸線があり、神社は石塚山付近の波の間にあったとも言われる。平野に浮かぶ古墳の丘を島に見立てて浮殿と呼んだのかもしれない。
祠の横をすり抜けて雑木林の中を登ると後円墳の頂へいたる。頂は雑草が無為に生い茂るだけだ。周囲を木々に囲まれ、ぽっかり穴が開いたような空間だった。
地元では浮殿神社は苅田山笠の集合場として知られる。苅田山笠は宇原神社の神輿が神事場である浮殿の地へ行幸するのに供して、14地区の飾り山笠が苅田町役場前で勢揃いする。
2006年6月9日作成
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Isizukayama Kohun (Tomb) & Huden Shrine