2010年11月23日更新
グリーンモールから歓楽街方面 2006年2月
グリーンモールの目抜き通り 2006年2月
竹崎改良住宅 2006年2月
夜の目抜き通り 2004年7月
関釜フェリーでやってきたらしい韓国ナンバーの起亜自動車が路上駐車中 2004年7月
グリーンモールの歩道 彫刻が多い 2004年7月
グリーンモールは、下関駅東口から北の上条町へ伸びる下関市最大の商店街。JR山陽線東側に並行する延長約800mの2車線道路沿いにあり、歩道に簡易な片側式アーケードを被せる。核になる大型店舗や大型施設がなく、個人商店ばかりが連なってこれだけの規模になると壮観だ。
グリーンモールは戦後混乱期の線路跡地にできた闇市を発端とする。現在の沿道型商店街になったのは1976年で、下関市が下関駅周辺の再開発事業の一環として、シーモール下関(1977)の建設に先立ち、下関駅東口から上条交差点までの延長600mに幅員20mの買物公園通りを整備した。
道路幅員は現在の基準からみれば十分ではないが、「公園通り」の名にふさわしく、歩道を緑化して多数の大型彫刻を飾る。宇部もそうだが、山口県の都市は彫刻が多い。緑化のやりすぎに関してはよくないのではないか。これでは道路が歩道―車道―歩道に三分割され、面としての賑わいが生じない。
グリーンモールは在日朝鮮・韓国人や日本に帰化した朝鮮系市民が経営する店舗が多いことで知られる。「韓国の民族衣裳・食材・雑貨・焼肉店など異国情緒あふれる店をはじめ、ホテル、遊技場、コンビニ、ブティック、喫茶店、食堂など200店あまりの商店が軒を連ねる」(しものせきナビ)。
道端には関釜フェリーでやってきたらしい韓国ナンバーの韓国車がさりげなく路上駐車し、異国情緒を楽しめる。表通りから裏へ入ると、ハングルを掲げた免税店などもある。横浜や神戸にある外国人街は観光地化が甚だしく、わざとらしすぎて鼻白む。ここは生活感があり、アメリカの都市部にある外国人街のようだ。
町並みも独特だ。中小ビルが隙間なく立ち並ぶ表通りは日本とは思えない。裏通りに所狭しと立ち並ぶ違法増築だらけの戦災復旧アパートは、「高さがあればまるで香港」(知人の弁)。市営長門町駐車場はそんな老朽アパートの地下にある。半ば朽ちた狭いスロープを下りて地下へ潜るのは、お化け屋敷に入るような楽しさがあった。
下関商工会議所は他都市との差別化を図るため、グリーンモールを「リトル釜山」と位置づけ、より韓国色を前面に打ち出したまちづくりを行ないたい考えだ。ただ、日韓には過去の難しい経緯があり、いまだ地域住民の全面的な理解と協力が得られる段階には至っていない。
グリーンモールは完成翌年に開業したシーモール下関の影響を受けて、またたく間に廃れた。下関最大の商業地とは言っても、その役割は果たしていない。異国情緒を売り物にすれば、たとえ観光客を呼び込めなくても、関門200万市民にとって特別な場所になる。今後の取り組みに期待したい。
2006年4月2日作成
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Green Mall (Little Busan), Simonoseki