2017年05月16日更新
モミジの森 急勾配の山の斜面 2015年11月28日
藤トンネル 各種の藤が咲き並ぶ部分 2015年5月2日
野田長藤の花房が目線まで降りてくるあたりが人気スポット 2015年5月2日
藤ドーム 中に入れる 2015年5月2日
大藤棚の大木 2015年5月2日
白藤は濃い色の藤と対比させると輝いて見える 2015年5月2日
葡萄のような八重藤 2015年5月2日
見下ろして色鮮やかなのは咲き始め 下からはこんな感じ 2015年4月25日
2008年5月7日のようす 平日は人影まばらな秘密の花園だったが
河内藤園の範囲 右上を押すとグーグル地図が開く
河内藤園は、日本有数の広さを誇る私営の藤園。1977年4月開園。1000坪の大藤棚を中心に、藤ドームや藤トンネルをめぐらす。4月下旬から5月中旬にかけて、さまざまな藤の花が順繰りに咲き乱れ、その色彩と芳香で来園者を魅了する。花は、野田長藤、口紅藤、赤紫、青紫、紅、白、八重、長、中、短の各種。22種類で計150本。
河内貯水池付近の山あいにあり、交通の便がよくない。路線バスは2011年に廃止された。タクシー利用の場合はJR八幡駅から片道3000円前後、JR小倉駅から片道4000円強かかり、レンタカーのほうが安くつく。自家用車を利用できない方は最寄の河内温泉あじさいの湯の送迎バスを利用して、温泉がてら立ち寄るのがよかろう。
河内藤園は知る人ぞ知る花園だ。宣伝は一切していない。主人は藤園を厳格に管理しており、観光客が大勢集まると不届き者が藤の木を傷めるからと集客に乗り気でない。好きな方だけが来てくれればよいという姿勢だ。客を選ぶ商売は三大都市圏では差別化戦略として有効だが、いまの北九州で頑固一徹では経営が苦しかろう。
入園料は300円~1500円。開花状況により変動する。入園料1500円を要求されたら、もっとも美しい時期にめぐりあえたと喜ぼう。来園者は毎年来園する贔屓の団体客が多く、大藤棚の下で持参の弁当を食べたり、藤の下でのんびりおしゃべりして過ごすそうだ。カラオケなどの騒がしい行為は禁止。ペット同伴も禁止。
河内藤園は紅葉の名所でもあり、樹齢30年近くのモミジの木が約700本、樹齢70~80年のモミジの木が18本ある。11月中旬から12月中旬にかけて、藤園と同じく厳格に管理され、凛とした気配ただようモミジの森を散策できる。入園料は0円~300円。なお、藤の季節にモミジの森に入園することはできない。
河内藤園はここ数年で口コミが世界に拡散して人気が急激に高まった。しかしいざ現地を訪ねたいと思っても必要な情報が見当たらない。いつが満開なのか。そもそもどこにあるのか。最寄りのバス停から歩いて1時間? 謎が謎を呼んで人気が過熱した側面もある。2015年は藤園へ至る一本道で最大4時間待ちの大渋滞が発生した。
2016年は公式サイトを開設、JTBに前売り入園券の販売を委託し、自らシャトルバスの運行に乗り出した。北九州市とも協議して道路に電光掲示板なども設置してもらった。熊本地震の風評被害による外国人客の減少もあり、大型連休中の満開時でさえ人の流れは物足りないくらいスムーズになった。河内藤園は「世界のどこかにある秘密の花園」から「気軽に行ける実在の植物圏」になった。
来園者の増加は河内藤園の園内も変えた。1年にせいぜい千人の花見客が愛でるだけだった藤の木は、数万人の観光客に根元を踏まれてすっかり弱ってしまった。以前の無防備な状態にしておくことはできず、木の周囲を竹で囲う、木製通路を敷設して人の移動を制限するなどの保護手段を講じるも、2015年は大藤棚の大枝が枯死し、2016年は全体に花が痩せて出来が悪かった。天候不順が主たる原因だといい。
主人が知名度の向上を素直に喜んでいないのは間違いがない。河内藤園が季節を代表する観光地に育ったという気負いはなく、想定超の観光客に踏み荒らされた藤園の状態を憂えている。今後は「団体パスツアーの禁止や大幅な料金改定などを検討」(パンフレット)するそうだ。
2008年5月11日作成、2016年5月20日増補
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Kawati Huzien (Kawachi Wisteria Garden, or Kawachi Fuji Garden)