2024年11月23日更新
[モミジ] 2024年秋の開園期間 11月23日~12月1日 9~17時
見返り坂の紅葉 急勾配を直登する 2019年11月30日
砂防堰堤の落ち葉 2019年11月30日
藤トンネル 各種の藤が咲き並ぶ部分 2017年5月5日
野田長藤の花房が目線まで降りてくるあたりが人気スポット 2015年5月2日
藤ドーム 中に入れる 2015年5月2日
大藤棚の大木 2015年5月2日
白藤は濃い色の藤と対比させると輝いて見える 2015年5月2日
葡萄のような八重藤 2015年5月2日
見下ろして色鮮やかなのは咲き始め 内側からはこんな感じ 2015年4月25日
河内藤園の配置図
河内藤園は日本有数の広さを誇る私営の藤園。1977年4月開園。1000坪の大藤棚を中心に、藤ドームや藤トンネルをめぐらす。4月下旬から5月中旬にかけて、さまざまな藤の花が順繰りに咲き乱れ、その色彩と芳香で来園者を魅了する。花は、野田長藤、口紅藤、赤紫、青紫、紅、白、八重、長、中、短の各種。22種類で計150本。
河内貯水池付近の山あいにあり、交通の便がよくない。路線バスは2011年に廃止された。タクシー利用の場合はJR八幡駅から片道3000円前後、JR小倉駅から片道4000円強かかり、レンタカーのほうが安くつく。自家用車を利用できない方は最寄の河内温泉あじさいの湯の送迎バスを利用して、温泉がてら立ち寄るのがよかろう←廃業。
河内藤園は知る人ぞ知る花園だ。宣伝は一切していない。主人は藤園を厳格に管理しており、観光客が大勢集まると不届き者が藤の木を傷めるからと集客に乗り気でない。藤が本当に好きな方だけに来てほしいという姿勢だ。東京や大阪なら客を選り好みしても商売になるのだろうが、いまの北九州で頑固一徹では経営が苦しかろう。
入園料は500円~1500円。開花状況により変動する。入園料1500円を要求されたら、もっとも美しい時期にめぐりあえたと喜ぼう。来園者は毎年来園する贔屓の団体客が多く、大藤棚の下で持参の弁当を食べたり、藤の下でのんびりおしゃべりして過ごすそうだ。カラオケなどの騒がしい行為は禁止。ペット同伴も禁止。
河内藤園は紅葉の名所でもあり、樹齢30年近くのモミジの木が約700本、樹齢70~80年のモミジの木が18本ある。11月中旬から12月中旬にかけて、藤園と同じく厳格に管理され、凛とした気配ただようモミジの森を散策できる。入園料は500円。なお、藤の季節にモミジの森に入園することはできない。
河内藤園は2012年ごろから口コミが拡散して一躍有名になった。しかしネットで検索しても有用な情報が見当たらない。いつが満開なのか。そもそもどこにあるのか。最寄りのバス停から歩いて1時間? 謎が謎を呼んで人気が過熱した側面もある。2015年は藤園にいたる山間の一本道で4時間待ちの大渋滞が発生した。
2016年に公式サイトを開設、来園者抑制のため予約制を導入し、渋滞緩和のため自らシャトルバス運行に乗り出した。北九州市は道路に電光掲示板を設置するなどして側面から支援した。これらの対策は予想以上の成功を収め、わずか1年で渋滞は完全に見られなくなった。河内藤園は「渋滞の果てにある幻の花園」から「いつでも素早く行ける実在の植物園」になった。
来園者の増加は河内藤園の園内も変えた。1年にせいぜい数千人の花見客が愛でるだけだった藤の木は、数万人の観光客に根元を踏まれてすっかり弱ってしまった。以前の無防備な状態は容認できず、大藤の周囲を竹で囲って立入禁止にしたり、通路を敷設して移動を制限するなどの保護手段を講じるも、2015年は大藤の大枝が枯死し、2016年は全体に花が痩せて出来が悪かった。天候不順が原因だといい。
主人が知名度の向上を素直に喜んでいないのは間違いがない。河内藤園が季節を代表する観光地に育ったという気負いはなく、物見遊山の観光客に踏み荒らされた藤園の状態を憂えている。今後は「団体パスツアーの禁止や大幅な料金改定などを検討」(パンフレット)するそうだ。
2008年5月11日作成、2016年5月20日増補
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Kawati Huzien (Kawachi Wisteria Garden, or Kawachi Fuji Garden)