2009年2月26日更新
国道322号から塔ヶ峯を望む 2003年7月
馬ノ背台から大平山(手前の草原の山)、塔ヶ峯(中央左の樹木の茂る山)を望む 2004年5月
三菱マテリアル東谷鉱山から塔ヶ峰を望む 2003年7月
平尾台は長軸約6キロ、短軸約1.5~2キロの卓状台地で、北東から南西にかけて草原が広がり、ブーメランのような形をしている。この卓状台地を挟んで南北に同音異字のトウガミネが存在する。地元では北の峰を「井手浦の塔ヶ峯」、南の峰を「行橋の塔ヶ峰」と呼ぶ。漢字表記は混乱しているため、信頼しないほうがよい。
塔ヶ峯は標高582mの岩山。山頂まで樹木が密生して遠目には分からないが、山肌はカルスト高原と同じように石灰石が露出している。井手浦からは壮絶な三角山に見えるが、三角に見えるのはこの位置から眺めた場合だけだ。実際の形は「岬ヶ峰」か。この頂は高みではない。奥はなだらかに貫山や大平山の中腹に繋がる。
歩いて登山する場合は、吹上峠駐車場に車を乗り捨てて出発する。吹上峠から大平山を経由して塔ヶ峯まで片道約90分。自動車の場合は、平尾台麓の井手浦浄水場あたりから井手浦林道に入り、途中で塔ヶ峯林道に乗り換えれば山頂付近を通る。2001年ごろ街乗りの四輪車で一度通ったことがある。山頂付近の遠望はきかない。
塔ヶ峰は標高389mの山。平尾台の卓状台地よりも頂が低く、平尾台上からは見下ろす格好になる。この山は平尾台から見下ろしても、行橋から見上げても塔のようには見えない。山頂に三角点があり、遠目には山肌で森林施業が行われているように見えるが、車道はもちろん人道もなく、この山に登ったという日記もない謎の山だ。
平尾台のあちらとこちらにトウガミネがあるのは奇妙だ。「峯」「峰」は普通名詞だから、姿形が似ているわけでもない二つの山は、もともと同音異字ですらなく、同名のトウガミネだったと思われる。地域史を紐解けば神話時代になにか逸話がありそうだが、インターネット上に両者の関係に言及した文書は存在しなかった。
2009年1月15日作成
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Mt. Tôgamines