2008年12月3日作成
目白洞前から大平山を望む 2004年5月
目白洞前から太平山を望む 2005年3月
県道28号吹上峠の手前から太平山を望む 2003年4月
大平山(おおへらやま)は、中空のカルスト台地・平尾台の北西壁を構成する山峰。標高587m。北斜面は断崖絶壁に近い急斜面だが、写真を撮影した平尾台上の茶の床(目白洞付近)からの高さは150m程度しかなく、斜面も緩やかで大きな丘に見える。
平尾台の「羊群原」なる場所は、大平山の南斜面あたりを指す。春の野焼きで岩肌(ピナクル)があらわになり、茶の床から眺めると、羊の群れの照り返しで山全体が眩い。ススキが伸びる夏頃から石灰岩が見えなくなり、秋には草山になる。
戦前の平尾台は陸軍省の演習場だった。戦後は開拓地として東谷農協へ払い下げられたが、景勝地保護に執念を燃やす小倉市と、石灰石鉱山の拡大を目指すセメント会社が不服を申し立て、三者が激しく対立した。羊群原あたりは三者の利害が正面衝突した場所だ。この丘は20年に及ぶ紛争を経て、あるがままの姿を保っている。
普通自動車の入れる道路がなく、山頂を目指すのなら吹上峠、あるいは目白洞から意を決して歩いてゆくほかない。所要時間は片道40分~50分程度。
2008年12月3日作成
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Mt. Ôhera, Hiraodai, Kitakyûsyû Quasi-National Park