2011年1月26日更新
西日本鉄道(本社、福岡市)が小倉都心部の一等地、魚町交差点に面した西鉄魚町ビル跡地に平屋を建てる計画が明らかになった。詳細は朝日新聞の2010年9月9日掲載記事(下に引用、電子版に掲載なし)を参照せよ。跡地に旧建物とほぼ同規模の貸店舗ビルを新築する計画は、「2階より上は借り手の需要が少ない」(西鉄広報)との判断により覆された。平屋には西鉄旅行小倉旅行センターとグランドゥアムール魚町店(パン屋)が入居するという。
解体工事中の西鉄魚町ビル 2010年7月
西鉄魚町ビル跡地、西鉄旅行小倉旅行センター/グランドゥアムールの平屋に変更される前の計画
朝日新聞2010年9月9日朝刊経済面から引用「西鉄魚町ビル、平屋に」
魚町交差点は都心商業地の中でも特別な場所だ。近年は商業の郊外拡散に加えて、小倉駅南口と紫川河畔に都心商業地の中心が二分され、みかげ通りの谷間化が加速している感は否めないが、都心の面としての広がりを保ち、量感ある街並みを形成するにあたって、魚町交差点の重要性はいささかも変わらない。西鉄が絵に描いた餅で店子募集して反響がなかったからといって、平屋に建て替えてよい理由にはならない。
西鉄魚町ビル跡地は西鉄の私有地なのだろうが、都心の一等地を公共の利益に相反して私物利用することは許されない。ここは恒見営業所の一角とは違う。魚町交差点となれば百万市民を納得させる土地利用が求められる。道路向かいの小倉東映会館跡地は、地元の反対により三度計画が改められた。記事には「西鉄にも市街地にも苦渋の決断」とあるが、われわれがいつ苦渋の決断を下したのか。話をつくらないでもらいたい。
西鉄は先行き不透明なこの時期に、博多駅開業対策のためソラリアプラザ(福岡市)や福岡交通センター(福岡市)を改装しなければならず、そちらに乏しい経営資源を集中投下したい。北九州でリスクを取りたくないという話だろう。西鉄の経営方針に口を挟むつもりはない。われわれの関心は西鉄魚町ビル跡地。自社でまともな開発が行えないのなら、自社開発を断念し、土地を売却して魚町から撤退すべきだ。
都心の公共性を顧みず、市民の不興を袖にしながら、西鉄旅行の営業所だけは魚町交差点に置きたいとは、あまりに身勝手、あまりに傍若無人なふるまいだ。他の開発業者に任せれば都心の一等地にふさわしい開発が行える。やる気がないのに、なぜ自社開発にこだわるのか。なぜ土地を手放さないのか。西鉄旅行小倉旅行センターは現在の仮店舗をそのまま使用すればよいのではないか。西鉄が居座って跡地開発しなくてもいい。
魚町交差点はいわば北九州の商業地の本丸だ。その本丸に「事業価値ゼロ」の誤ったレッテルを貼り、平屋しか建てられなかったと開き直られれば、今後の街づくりや商業の活性化に甚大な悪影響が出る。有力な商業者は小倉進出を敬遠し、心折れた地元商業者は店を畳み始めよう。朝日新聞社は西鉄の魚町平屋を都心の地盤沈下を象徴する「事件」として再度取り上げた。すでにマイナスイメージの拡散が始まっている。
西鉄旅行小倉旅行センター / グランドゥアムールの平屋が北九州市都市景観条例で定めた小倉都心景観重点整備地区の要衝に位置しながら、無届かつ事前協議なしに着工されたことが判明した。詳細は関門通信の2010年11月13日付記事をご覧ください。
抗議は各々が自分の言葉で述べるのが理想だが、忙しい方のために見本を用意した。必須項目を記入の上このまま送信してもよいし、抗議文を適当にアレンジしてもかまわない。抗議の輪が広がることを切に願う。
2010年9月13日作成、2010年11月14日改稿
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