2010年12月12日更新
本町商店街とサンエステひがしまち
本町商店街 飯塚井筒屋
本町商店街 福岡銀行飯塚本町支店
紀乃国屋書房の玄関上のからくり時計
サンエステひがしまち 嘉穂劇場方面
サンエステひがしまち 嘉穂劇場側の入口
本町商店街は、飯塚市中心部にある長崎街道飯塚宿の街道筋がそのままアーケードになった広域型商店街。会員数79、営業店舗数91、空き店舗数5(2003)。新飯塚駅に降り立った来街者は駅前の閑散振りを見て誤解しがちだが、飯塚の中心は新飯塚駅から徒歩20分くらいの遠賀川の向こう岸にある。
1976年にイタリア・ミラノのエマヌエル二世街を模した340mのドーム型アーケードを日本で初めて採用し、この類いのアーケードのさきがけとなった。1993年には、からくり時計、コミュニティホール、公衆トイレ、駐車場、プリズマビジョンを完成させた。
アーケードのほぼ中央に朝9時半から営業する「早起き百貨店」の飯塚井筒屋がある。建物は一目で井筒屋と分かる外観だ。付近にはトップが製作したからくり時計があり、買い物客の人気を集める。長崎街道飯塚宿が主題のこの時計は、毎時0分に真っ二つに割れて、賑やかな音楽とともに時計の裏から人形が迫り出す。
サンエステひがしまち(東町商店街)は、本町商店街に繋がる近隣型商店街。幅員は本町と比較すると狭い。飯塚宿の西構口(コスモスコモン側)から嘉穂劇場方面へ伸びる東西の線を主軸とし、途中で三叉をつくって本町商店街に南接する。1988年にドーム型アーケードを完成させた。会員数48、営業店舗数47、空き店舗数11(2003)。
アーケードは多少曲がったほうがよい。人間は先が見通せないと想像力を逞しくするからだ。しかしサンエステは営業店舗よりも空き店舗のほうが多く、想像力は負の方向へ働く。飯塚の繁華街は飯塚バスセンター近くの本町商店街の入口に始まり、嘉穂劇場前近くのサンエステ東町の出口で終わる。
飯塚は住宅も職場も大学も郊外に立地し、中心商業地は鉄道駅から遠く、幹線道路の幅員は極端に狭い。一方、国道201号柏の森へ足を伸ばせば、北九州でも目にしない華やかなロードサイド街(沿道型商業地)がある。
これだけの悪条件が揃えばアーケードは廃墟かと早合点しそうだが、本町界隈はきょうびの十万都市のアーケードとは思えない賑わいだ。全振連の元気のある商店街100にも選ばれた。悪条件だからこそ、ここに残された商業者と地域住民の相互依存が強いのだろう。
2005年9月28日作成
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Honmati & Sanesute Higasimati Shopping Malls