2016年05月12日更新
河内藤園は2016年より入園方法を変更する。大型連休前後の4月23日(土)~5月8日(日)は事前にコンビニで前売り入園券(500円)を購入し、現地で差額の入園料(0~1000円)を支払う二段階方式になる。詳細は公式ホームページで。今年の開園時期は4月20日(水)から5月15日(日)。
上の画像は現地入口のお知らせ。「自家用車・レンタカー等車両でのお越しの方は、前売り入園券がないと当園内乗り入れ及び、駐車もできません。公共機関等ご利用のお方は、当園で入園券は購入できます」。河内藤園シャトルバスを利用する方やハイキングがてら歩いてゆく方は、コンビニチケットがなくても入園できる。
北九州は熊本地震による被害はなく、平穏な日々が続く。しかし一部(特に海外)で九州全体が被災したかのような報道がなされており、旅行やホテルのキャンセルが相次ぐ。風評被害は確実にある。
河内藤園の来園者は、2~3割が外国人、同じく2~3割が遠方客、残りが地元客とみられる。外国人や遠方客が来園を取り止めることで、今年は思いのほか空いた藤園を楽しめる可能性がある。
桜は一輪の花が咲いたときから花吹雪となって散るときまで美しい。藤もそうかと言えば、残念ながらそうではない。見ごろは満開時の数日に凝縮されるように思う。
2015年の満開は5月2~5日あたりだった。上の写真はその1週間前、4月25日の撮影。藤は花房の上から下に向けて花をつける。咲き始めは小高い丘から見下ろせばきれいだが、藤トンネルや藤棚に入って見上げると寒々した絵になる。藤は芳香が強く、来園者はその香りに感動しながらも、「まだ早かった」と口ぐちにつぶやき、園内を足早に1周して帰ってゆく。
上と同じ場所が5月2日の満開時はこうなる。魔法をかけたような圧倒的な花の量に目を見開く。
そして満開から1週間が経過した5月9日。写真はそれなりに見えるが、花に色つやがない。散らず枯れた花が腐敗臭を放ち、夏草のむっとした臭いが立ち込める。来園者は長居しない。
河内藤園に魅せられて遠方から訪ねようと考えている方には満開時の来園を強く勧める。日程の都合がつかず咲き始めや終わりかけの来園を考えているのなら、いっそ来園を中止して近所の藤棚の満開を探してはどうだろう。藤棚は満開のときに訪れてこそ価値がある。感動に太鼓判を押せる期間は3日程度しかない。
開花状況は当サイトの紹介ページ、あるいは公式ホームページで確認しよう。
河内藤園は市街地からやや離れた国定公園内の山間部にあり、2011年に路線バスが廃止されてからは公共交通機関が存在しない。河内貯水池べりは市民の憩いの場として各種行楽施設が整備されているが、せいぜい1000人程度の利用を想定したつくりであり、1万人超の行楽客が大挙して押し寄せると完全な飽和状態になる。
2015年の満開時は現地への一本道である県道62号が6キロ超にわたって渋滞し、片道の所要時間が4時間にもなった。山間の一本道だから渋滞に捕まると逃げられない。2016年は入園規制が強力に効果を発揮して4月30日時点で渋滞は発生していない。満開となる5月第1週も渋滞を気にする必要はなさそうだ。
5月1~2日はG7北九州エネルギー大臣会合が開催される。検問等に注意したい。
上の沿道案内は県道62号の沿道にある駐車場や公衆便所、自販機、食事処などを網羅してある(2016年4月調査)。自家用車の方は万が一の渋滞に備えて公衆便所の位置を、ハイキングがてら歩いてゆく方は加えて自販機の位置を確認しておくと安心だろう。
最寄りの河内小学校前バス停は2011年に廃止された。八幡駅発の56番路線は終点が短縮され、2016年現在は「上重田」行きに。終点の上重田バス停から河内藤園は道なりに3.7キロ、徒歩47分。参考:八幡東区のバス路線図。
上重田バス停以南は景観がよく、遊歩道が整備され、公衆便所や自販機も点在する。普段から歩きなれた方なら準備しなくても歩ける行程だろう。
2016年に新設。八幡駅南口から河内藤園へ直行する。期間は4月23日~5月8日。運行時間は9時~15時で1時間に1本。バス2台が同時に発着する。片道30分でピストン輸送する計画。時刻表はない。
八幡駅南口または到津の森公園(小倉~天神の高速バス停)から無料送迎バスがある。あじさいの湯から河内藤園までは徒歩3分。河内藤園とは無関係であり、施設利用(温泉や食事、~1000円)が乗車条件。タダ乗りは絶対にやめましょう。
河内藤園が人影まばらな5年前ならこの方法をお勧めできたが、2015年は圧倒的な定員超過により多くの人が乗れなかった。今年は河内藤園シャトルバスの運行期間はそちらに乗ろう。
八幡駅から片道2750~3100円(約20分)、小倉駅から片道3870~4350円(約30分) ※タクシーサイト調べ。
見ごろ時は八幡駅前に河内藤園行きの行楽客が集まる。バスに定員超過で乗れない場合はお互いに声をかけてタクシーに相乗りしよう。
引野口バスターミナルから林道市ノ瀬奥田線経由で河内藤園へ向かうのは勧めない。林道は林道管理者の裁量で通行禁止にできる。2015年の開花時期は夜間を除いて封鎖されたようだ。しかし八幡駅前でタクシーに乗ると、このルートで連れて行かれたという情報もある。自己責任で。
北九州空港、小倉駅周辺、八幡駅周辺のいずれかでクルマを借りる。小倉駅周辺はレンタカー各社の店舗が揃い、宿泊や飲食の利便性が高い。北九州空港―小倉駅間はシャトルバス(33分)がある。
[北入り] 北九州都市高速道路4号線「山路」または「大谷」ランプ下車、約20分。2015年は現地への一本道である県道62号が全線渋滞し、河内藤園の係員が起点の大蔵まで出向いて渋滞案内をした。2016年は前売り入園券が必要なことを知らせて車両の流入を防ぐ。去年ボトルネックとなった県道62号景勝町の道路工事も暫定終了して、交通の流れは非常によい。大蔵から30分あれば余裕で現地に到着する。
[南入り] 九州自動車道「小倉南」または「八幡」インター下車、約25分。国道322号または国道211号から県道61号に入り、山間の小集落、田代町で県道62号へ入る。県道62号田代町~河内藤園間は2015年に発生した土砂崩れのため2か所で片側通行規制があり、総重量10トン以上の車両は通行止め。工事個所は下の動画か、上の河内藤園沿道案内で確認しよう。現状では北入りのほうが交通の流れがよい。
現地では係員の誘導に従って駐車場に入る。一番遠い駐車場に案内されても腐らない。駐車料金は無料。
現地への交通手段は自家用車のみであり、2015年までは渋滞の列が伸びても来園者数は駐車場の最大容量によって一定に保たれた。混雑するといっても藤の鑑賞を妨げるほどの人出ではなかった。
2016年からは自家用車を制限することで観光バスの来園が可能となるほか、河内藤園が自らシャトルバスの運行に乗り出す。渋滞は緩和しそうだが、園内や現地周辺は人であふれそうだ。一方で行楽客が休憩して飲食できる場所が河内温泉あじさいの湯しかない状況は変わらない。
園内では藤の木の保護をさらに強化している。2015年は大藤棚の大木を竹で囲い、板敷きの通路を敷設して人の移動を制限した。2016年は藤トンネルにも板敷きの通路を設ける。この板敷きは来園者の足元の安全を確保する狙いもある。昨年は降雨後の園内で来園者が足を滑らせて怪我をしたため、満開時の貴重な1日が臨時休園になった。
藤トンネルは藤の花と素朴な土の対比が美しかった。この絵が受け入れられるかどうかは分からない。
2016年は全体的に開花密度が薄く、花が痩せて出来が悪かったが、ここは遠目にはきれいに仕上がった。撮影は5月5日。満開は5月1~2日ごろ。
2016年4月16日作成、5月12日最終更新
©2019 ガゾーン 転載自由。許可不要。著作権は関門通信またはその情報提供者に属します。
Kawati Huzien (Kawachi Wisteria Garden, or Kawachi Fuji Garden)