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2018年03月29日更新

河内藤園 2017年藤見ガイド

公園種別
地域制公園 > 国定公園 > 北九州国定公園
公園施設
藤園、モミジの森、便所、駐車場200台
場所
北九州市八幡東区河内2-2-46
基本情報
予約制、入園料 500~1500円、駐車場 終日無料、開園時間 8時~18時、開園時期 4/22~5/16、電話 093-652-0334

2017年の入園方法

河内藤園は2016年より予約制に移行した。大型連休前後の4月29日(土)~5月14日(日)はセブンイレブンまたはファミリーマートで前売り入園券(500円)を購入し、現地で差額の入園料(0~1000円)を支払う二段階方式になる。今年の開園期間は4月22日(土)~5月16日(火)。

入園規制により大型連休中も渋滞はなく、他の行楽地と比較して混雑もひどくない。渋滞や混雑を恐れて満開時の来園をためらう必要はまったくない

前売り入園券は日時指定(指定日の8時~18時、2時間間隔)で購入する。制限されるのは入園時間のみであり、滞在時間に制限はない。いちど退園したら再入園はできない。もっとも混雑するのは9~15時あたり。少しでも混雑を避けたい場合はその前後(特に夕方)の来園を勧める。

準備するもの

河内藤園は皿倉山の南斜面、標高240~300メートルの山中にある。園内はかなりの高低差があり、散策路は急勾配で一部が舗装されていない。都心の花公園のように着飾って訪ねる場所ではない。

路面が悪いから登山靴などのしっかりした靴を着用しよう。日が陰ると急に寒くなるから上着を用意しよう。園内で飲食物は提供されないから飲食したい場合は持参しよう。一言でいえば、ハイキングの準備をして出かけよう。持参の弁当を広げてピクニックする場所は園内にある。

便所は簡易設置のものしかなく清潔とは言い難い。女性は用を足してから来園することを勧める。

来園すべきはいつごろか?

桜は一輪の花が咲いたときから花吹雪となって散るときまで美しい。藤もそうかと言えば、残念ながらそうではない。見ごろは満開時の数日に凝縮されるように思う。

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2015年の満開は5月2~5日あたりだった。上の写真はその1週間前、4月25日の撮影。藤は花房の上から下に向けて花をつける。咲き始めは小高い丘から見下ろせばきれいだが、藤トンネルや藤棚に入って見上げると寒々した絵になる。藤は芳香が強く、来園者はその香りに感動しながらも、「まだ早かった」と口ぐちにつぶやき、園内を足早に1周して帰ってゆく。

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上と同じ場所が5月2日の満開時はこうなる。魔法をかけたような圧倒的な花の量に目を見開く。

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そして満開から1週間が経過した5月9日。写真はそれなりに見えるが、花に色つやがない。散らず枯れた花が腐敗臭を放ち、夏草のむっとした臭いが立ち込める。来園者は長居しない。

河内藤園に魅せられて遠方から訪ねようと考えている方には満開時の来園を強く勧める。日程の都合がつかず咲き始めや終わりかけの来園を考えているのなら、いっそ来園を中止して近所の藤棚の満開を探してはどうだろう。藤棚は満開のときに訪れてこそ価値がある。感動に太鼓判を押せる期間は3日程度しかない。

開花状況は当サイトの紹介ページで確認しよう。あるいは吉祥寺(北九州の二大藤棚のもう一方)の開花状況を参考にしよう。河内と吉祥寺は250メートルの標高差があり、河内は吉祥寺より1週間遅く満開を迎える。

2017年交通アクセス

河内藤園は市街地からやや離れた国定公園内の山間部にあり、2011年に路線バスが廃止されてからは公共交通機関が存在しない。河内貯水池べりは市民の憩いの場として各種行楽施設が整備されているが、せいぜい1000人程度の利用を想定したつくりであり、多数の行楽客が押し寄せると飽和状態になる。

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2015年の満開時は現地への一本道である県道62号が6キロにわたって渋滞し、片道の所要時間が4時間にもなった。山間の一本道だから渋滞に捕まると逃げられない。2016年は入園規制により大型連休中も渋滞はいっさい発生しなかった。2017年も渋滞は発生しないとみてよい。

上の沿道案内は県道62号の沿道にある駐車場や公衆便所、自販機、食事処などを網羅してある(2017年4月調査)。自家用車の方は万が一の渋滞に備えて公衆便所の位置を、ハイキングがてら歩いてゆく方は加えて自販機の位置を確認しておくと安心だろう。

路線バス+ハイキング

最寄りの河内小学校前バス停は2011年に廃止された。八幡駅発の56番路線は終点が短縮され、2017年現在は「上重田」行きに。終点の上重田バス停から河内藤園は道なりに3.7キロ、徒歩47分。参考:八幡東区のバス路線図

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上重田バス停以南は景観がよく、遊歩道が整備され、公衆便所や自販機も点在する。普段から歩きなれた方なら準備しなくても歩ける行程だろう。

河内藤園シャトルバス

貸切りのマイクロバスが八幡駅南口と河内藤園を直通で結ぶ。2017年の運行期間は4月22日~5月11日。運行時間は9時~15時で、1時間に2~4本が発着する。時刻表はない。藤園発の特別最終便は16時半。去年は定員超過でバスに乗れない方が少なからず発生したため、今年は本数を倍増(2→4本)する。

藤の開花が遅れたため12~14日もシャトルバスを運行する。運行時間は9時~15時で、1時間に2~3本が発着。時刻表はない。藤園発の特別最終便は16時半。

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開園時間が8時なのに対し、始発バスは八幡駅を9時出発であることに注意。この場合、8~10時指定の前売り入園券を買って9時半ごろ入園することになる。滞在時間に制限はない。

河内温泉あじさいの湯 送迎バス

八幡駅南口または到津の森公園(小倉~天神の高速バス停)から無料送迎バスがある。あじさいの湯から河内藤園までは徒歩3分。河内藤園とは無関係であり、施設利用(温泉 大人840円)が乗車条件。藤見客のタダ乗りに業を煮やしたのか、帰りの乗車券は入館券(入浴券)と引き換えになった。

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タクシー

八幡駅から片道2750~3100円(約20分)、小倉駅から片道3870~4350円(約30分) ※タクシーサイト調べ。見ごろ時は八幡駅前に河内藤園行きの行楽客が集まる。バスに定員超過で乗れない場合はお互いに声をかけてタクシーに相乗りしよう。また、河内藤園シャトルバスの時間外(9時前、15時以降)はタクシー利用が現実的。

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引野口バスターミナルから林道市ノ瀬奥田線経由で河内藤園へ向かうのは勧めない。林道は林道管理者の裁量で通行禁止にできる。2015年の開花時期は夜間を除いて封鎖されたようだ。しかし八幡駅前でタクシーに乗ると、このルートで連れて行かれたという情報もある。自己責任で。

レンタカー

北九州空港、小倉駅周辺、八幡駅周辺のいずれかでクルマを借りる。小倉駅周辺はレンタカー各社の店舗が揃い、宿泊や飲食の利便性が高い。北九州空港―小倉駅間はシャトルバス(33分)がある。

自家用車

[北入り] 北九州都市高速道路4号線「山路」または「大谷」ランプ下車、約20分。入園規制により渋滞はなく、交通の流れは非常によい。県道62号景勝町の道路工事も終了。大蔵から15分もあれば余裕で現地に到着する。

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[南入り] 九州自動車道「小倉南」または「八幡」インター下車、約25分。国道322号または国道211号から県道61号に入り、山間の小集落、田代町で県道62号へ入る。県道62号田代町~河内藤園間で発生した土砂崩れによる片側通行規制は解消。交通の流れは非常によい。

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現地では係員の誘導に従って駐車場に入る。一番遠い駐車場に案内されても腐らない。駐車料金は無料。

2017年の藤園

2017年は5月5~8日(6、9日が雨)に満開を迎えた。例年より開花が遅く、見ごろは短かったが、早咲きから遅咲きまで一時期に咲き乱れて満開時は例年以上に華やかな雰囲気を醸した。野田長藤の花房も短くはなく見ごたえがあった。総じてよい年だったと思う。渋滞混雑対策が徹底されすぎて話題性の面では寂しかったか。

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おなじみの藤トンネル(大)。撮影は5月5日の16時過ぎ。この時間になると園内は閑散としてくる。陽が当たるのは15時半くらいまで。しっとり色の乗った花曇りの藤を愛でたいのならこの時間帯がよい。

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河内藤園には藤ドームが二つある。青紫と野田長藤。これは奥にある青紫のドーム。2017年は二つの藤ドームが同時に満開を迎えた稀有な年だった。例年は早咲きの青紫が枯れたころに藤園全体が満開を迎える。

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意外と人気者、オオデマリの木。純白の花がまばゆい。藤園のアクセントとして藤が途切れた場所に植えられている。藤園には他にもめずらしい花木がいくつかある。

2017年4月24日作成、2018年3月29日最終更新

資料

参照記事(外部サイト)
河内藤園 - 公式
お散歩がてら - 長年の贔屓客の方
関連項目(ガゾーン内)
河内藤園 - あらまし
河内藤園 2016年藤見ガイド
河内藤園 2017年藤見ガイド - このページ
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千財農園 - 2400坪の斜面地に広がる日本最大級の大藤棚。

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