目白洞～中峠

目白洞のある茶ヶ床から中峠へは標高差が約60mあり、特にライオン岩付近までの登り道は勾配がきつく、途中に悪路がある。下の写真は昨年引き返しを余儀なくされた悪路区間を越えて、ライオン岩手前から振り返って駱駝山を見晴らす。

車輪跡はわたしがつけた。おそらく24時間だれも通行していない。立ち往生してもだれも助けに来てくれない領域だということは知っておいたほうがよい。中峠を越えると携帯電話も圏外になる。

目白洞―中峠区間のハイライトは、この「鬼の洗濯板」だろう。カレンフェルトという溝状の微地形。溝の北側斜面に石灰岩がびっしり群がり、鬼が洗濯物を擦るのに最適なことからいう。この日は粉石けんつきだから、汚れ物の洗濯にはもってこいだ。

中峠に到着。峠の標高は490m台。振り返って竜ヶ鼻（標高680m）を望む。平らな山頂は香春岳のように採掘したのではなく、自然の地形。途中に三菱マテリアル東谷鉱山があることから歩いてゆくのもままならず、よほどの登山愛好家でなければ知らない謎の台地だ。旧国道322号金辺峠の産業廃棄物処分場からよじ登ってゆけるらしいが、相当に険しい道のりだという。

中峠を通り越してやや下り、進行方向右手に周防台（標高610m）を眺める。北九州では草地が見えなくなるほど雪が積もることはあまりない。2005年正月は盆地の平尾台自然の郷で60cm積もったそうだから、このあたりはいちめん雪に埋もれたろう。

枯れ草の黄色と雪の白の対比が淡白ながらもいい感じだ。南国人が雪景色を好むのは、桜と同じで儚いからだろう。この雪も数日できれいさっぱり消えてなくなる。

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